食環境科学科 スポーツ・食品機能専攻

動く、食べる、生きるを支える。

応用生理学研究室(大上安奈 准教授)

運動時や体温変化時における動脈および静脈の血管・血流応答

血液が全身をくまなく巡り、からだの各部分に酸素や栄養素を運ぶことで、私たちは歩いたり、走ったり、跳んだり、といった身体活動を行うことができます。心臓から送り出された血液は、動脈血管を通って筋肉や脳、内臓などあらゆる臓器に分配され、その後、静脈血管を経て再び心臓に戻ってきます。このような血液の流れは、安静にしている時と運動を行っている時では異なります。また、同じ運動でも、暑い環境下で行うのか、寒い環境下で行うのか、によっても違ってきます。本研究室では、運動を行っている時や様々な環境下におかれている時に血液がからだの中をどのように流れているのか、また、血液を運んでいる血管がどのように働いているのか、について調べています。

現在は特に、静脈血管に着目し研究を進めています。静脈血管は非常にやわらかく血液を溜めやすい性質があるため、私たちが安静にしている時は全血液量の約60%が静脈血管に存在しています。一方、運動時など血液がたくさん必要な場合、静脈は血管を硬くして、血液を心臓に還しやすくするという性質もあります。このような静脈血管の特性は主に動物実験で検証されたものであり、ヒトにおいて、なぜ運動によって静脈血管が硬くなるのか、その仕組みは十分に明らかにはされていません。本研究室では、最近、運動を制御する様々な要因のうち脳からの運動指令や活動筋からの情報が運動時の静脈血管の働きに関与している可能性を明らかにしました。しかし、運動を含めた様々な環境下におけるヒトの静脈血管の特性に関しては解決されていないことはまだまだたくさんあります。イヌやネコなどの動物とは異なりヒトは二足歩行であるため、重力の影響を受けやすいなどのヒト特有の性質を持っています。したがって、ヒトを対象にからだのなかで起こっている現象を明らかにしていくことはとても意味のあることだと考えています。

この研究室を希望する方へ

以下のような学生の入室を希望します。まず一つ目はあらゆることに対して「なぜだろう?」「本当かな?」と疑問を持てる人、二つ目は物事に対して受け身ではなく自ら進んで行動を起こし、一生懸命に真剣に取り組める人、そして三つ目はヒトのからだの仕組みに興味のある人です。

本研究室ではヒトのからだについて「なぜだろう?」「本当かな?」「不思議だな」と感じることをひとつずつ明らかにしていくことで、ヒトのからだの仕組みの解明に取り組んでいます。このような取り組みを通して、ヒトのからだの仕組みはもちろんのこと、物事を解決するためのアプローチの仕方や人との関わり方も学んでほしいと考えています。また、夢中になって没頭できる何かを見つけてほしいと思います。