健康栄養学科

第31回 管理栄養士国家試験 合格率97.7%

給食サービス・マネジメント研究室(辻ひろみ 教授)

保育所の給食における「咀嚼」トレーニングと給食メニューに関する研究

保育所の給食は、子どもたちに成長や活動に必要な栄養量を含む食生活を習慣づける場であるとともに、みんなでおいしく食べる体験を積み重ねる場です。しかし、近年、保育所では「噛めない」「丸のみをする」といった子どもの困った食べ方が多く挙げられています。

食物を口に取り込み噛んで飲み込むことは、6カ月~1歳半位までの離乳食から幼児食移行の時期に修得するものです。それ以降は自然に上達するものではありません。離乳期から噛む回数が少なく、丸のみに近い状態で食べていると、早食いによる肥満や、噛んで飲み込む機能の衰えが早まるなど、幼児期から健康リスクを抱えてしまいます。

噛んで飲み込む方法の改善は、子どもや保護者との関わることの多い保育士、子どもと食べ物をつなぐ管理栄養士が時間をかけてお互いの専門性を発揮して取り組みます。具体的には保育士は子どもの咀嚼状態を把握し、噛むことが苦手な子どもを見つけ支援方法を考えます。管理栄養士は子どもの発達や咀嚼の癖などを含めたアセスメントを行い、給食のメニューを工夫するなど互いの専門性を相互に発揮して対応します。

本研究室では、「噛めない」「丸のみをする」食べ方の発見には、歯科矯正医師の咀嚼指導で用いられる「咀嚼レッスングミ」を使用し、その咀嚼の傾向の分析、食生活との関係を分析します。並行して「楽しくおいしく食べる」体験ができる給食レシピ作成を行います。レシピは、給食への導入のために生産工程を標準化し、衛生や品質基準の設定など、再現可能なレベルにし、実際に提供して子どもの適合性を検証します。

この研究室を希望する方へ

研究分野は複数の関連するサブテーマである保育士教育、保育所実践、咀嚼状況分析、給食メニュー作成等に分かれます。それぞれの研究の進捗状況を把握するためのゼミを定期的に行います。先行研究の検索や情報検索、研究の各作業での進捗をメンバーと協力して調べてまとめ、発表する機会です。

研究はフィールド調査、咀嚼レッスン後の検体分析、レシピ作りと試食や作業分析など学内外での活動を、スケジュールに沿って協力しながら進めます。作成したレシピは給食に取り入れ、子どもたちの摂食観察、評価を行います。

人がどう食べるかという研究の答は複数です。この研究は、基礎研究で科学的根拠を得て、実際の生活に取り入れて応用結果を検証するという2つの側面があります。この研究の継続により、社会で専門性をどう活かすか道筋が見えてくるのです。研究室入室希望者には、資料検索やレシピの試作の繰り返しなど、地道に物事に取り組むことを期待します。