健康栄養学科

人と社会の健康を担う、管理栄養士のちから。

予防医学研究室(宮越雄一 教授)

酸化ストレスマーカーを用いた活性酸素による健康影響評価

生体内で過剰に活性酸素が生成された場合には、様々な生体分子を攻撃し、細胞を傷害する。一方で、活性酸素による酸化ストレスに対する抗酸化酵素(カタラーゼ、superoxide dismutase: SODなど)や抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンEなど)により生体は制御されている。この活性酸素と抗酸化酵素・抗酸化物質のバランスが崩れ、酸化ストレスの方に傾くと、核酸、たんぱく質、脂質などの生体内の重要な構成成分を傷害し、発がん、老化促進、糖尿病、動脈硬化症、神経変性疾患などを引き起こすことが報告されている。このような様々な病態に活性酸素が密接に関与することから、活性酸素による酸化ストレス状態を早期に把握するバイオマーカーを用いることが病態把握のためにも重要である。その中でも、発がんや老化に関する酸化ストレスのバイオマーカーとして、活性酸素によるDNA損傷(酸化的DNA損傷)の8-hydroxydeoxyguanosine(8-OHdG)が広く利用されている。8-OHdGの測定には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、電気化学的検出器(ECD)、紫外線分光検出器を用いて測定が行われている。

当研究室では、培養細胞などを用いて化学物質曝露による酸化的DNA損傷(8-OHdG)の評価を行う。また健康食品やサプリメントなどを用いることにより抗酸化能の評価についても行う。

この研究室を希望する方へ

当研究室では、病気を未然に防ぐ予防医学に興味を持つ学生が来ることを望んでいます。