健康栄養学科

人と社会の健康を担う、管理栄養士のちから。

栄養教育学研究室(井上広子 教授)

1.味覚感受性に及ぼす環境・社会的決定要因の探索

近年、加工食品等の急速な普及による多様な食品の喫食により、味覚感受性に影響を与える食環境にあります。特に子どもにおいては、親世代の就労状態等により食卓の簡素化が進み、素材の味や味を正しく認知する機会が減少する傾向にあります。子どもの頃の正しい味覚認知は、将来の生活習慣病に繋がる重要なファクターになることが考えられます。
これらの背景を受け、本研究室では、学童期の子どもや青年期を対象に味覚感受性と健康状態、食習慣・生活習慣等との関連を多角的側面から調査を行っています。
そのうえで、味覚感受性の実態を詳細に把握し、味覚感受性を決定づける因子について環境・社会的背景等から探索し、その相互関連も解明することを目的として研究を遂行しています。
最終ゴールとして、これらの解明した成果を基に各ライフステージに効果的な栄養教育方法の構築と味覚感受性が客観的な栄養教育評価指標となることを目指しています。

2.ライフステージ・傷病別の科学的根拠に基づく栄養教育方法の構築

現在の日本においては、科学的根拠に基づく栄養教育方法やその評価方法のエビデンスが開発途上にあります。そこで当研究室では、各ライフステージや傷病者に対する科学的根拠に基づいた効果的な栄養教育方法とその評価方法の確立を目指して、鋭意研究に努めています。近年の成果としては、精神疾患を抱える患者様の食習慣や生活習慣を詳細に調査し、行動科学に基づいた管理栄養士による栄養教育の介入試験等を行い、その効果の成果を得ています。

この研究室を希望する方へ

「人が健康で長生きするためには、どのような生活習慣・食習慣を送ったら良いのか?」その疑問を解き明かすために当研究室ではヒトを対象に様々な角度から調査・研究を行っています。
研究は、学内研究室だけに留まらず、学外の共同研究施設で行うことも多く、幅広い研究体制で様々な知識を身に着けることができます。
研究を遂行するためには、探究心と意欲が何より大事です。熱意のある皆さんの入室を歓迎します。