食環境科学科

生きるを支える、次世代の食をつくる。

栄養疫学研究室(吉﨑貴大 准教授)

時間栄養学を中心とした栄養疫学的な研究

人を対象に健康維持・増進と食生活との関わりについて研究しています。人間集団の中で出現する健康関連のいろいろな事象の頻度と分布およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する対策に役立てることを目的として行われる研究領域は“疫学”といいます。その中でも、食生活を各種疾患の何らかの原因として焦点をあてた領域は“栄養疫学”と呼ばれます。人が生きるうえで,毎日の生活から「食事」を切り離すことは不可能ですが,健康的な生活を送るためには、どのような食事内容、どのくらいの食事量,あるいは食事のリズムがいいのでしょうか。そんな疑問を一つ一つ検証し、科学的なエビデンスとして社会に発信し、より多くの人の健康維持・増進に貢献できることを目標としています。

具体的な研究内容の例は以下の通りです

  1. 体内時計、社会生活時間と食生活との関連
    夜型生活に限らず、体内時計と社会的な時間制約の有無による睡眠覚醒リズムのずれによって健康問題を生じる可能性があります。このことについて、食生活が及ぼす影響を明らかにします。
  2. 交代制勤務者の健康に関する疫学調査
    これまでに日勤と夜勤を繰り返す交代制勤務者の体内時計が乱れていることを明らかにしてきました。今後は、その健康課題に対する改善策を検討していきます。
  3. 食事パターンと心身の健康との関連性
    うつ症状、不安障害、ストレスなどの心身症状と特徴的な食事パターンが関わるか否かを検討します。

この研究室を希望する方へ

人を対象として食生活に関する研究成果を社会へ還元したいという学生や、食と健康の専門家として成長したいと考えている学生は大歓迎です。また、24時間型社会を迎え、生活パターンが多様化した現代では、疾病に関わる要因も複雑化しています。これらのことに興味がある学生も歓迎します。
本研究室では、科学的な視点で食生活と健康との関わりを考え、そのエビデンスを相手に正確に伝えられる力、さらには相手に”何が伝わるのか”を意識して行動変容を促せる力が重要であると考えています。これらの点について探求する中で、切磋琢磨できる仲間たちと学生生活を有意義に過ごすとともに、お互いを尊敬し、協力し合っていける多くの仲間を作って欲しいとも考えています。皆さんが短期、中期および長期目標をしっかりと定めて努力を継続し、未来の「食と健康」の分野を牽引していくことを期待しています。