応用化学を学ぶ中で大川真穂さんが出会ったのは「創薬」の面白さでした。薬という存在に寄せられる人々の期待の大きさを知り、大川さんは製薬会社に将来を託します。MR(医薬情報担当者)として豊富な情報を武器に、医師に対して積極的に提案する攻めの営業をしたいと語る大川さん。その根底には、理工学部応用化学科で鍛えられた力が活きています。

薬と無縁の人、いますか?

1・2年次は、とにかく実験とレポートに追われる日々でした。多いときには週1回のペースでレポートを書いていましたね。目の前の課題やテストに必死で、未来の自分を思い描く余裕もなかったように思います。就職を意識するようになったのは、3年生になってから。3年次の前半に学んだ「創薬」の面白さが、私の将来を決定づけることになりました。

「創薬」とは、文字通り「薬を創る」こと。さまざまな物質を組み合わせて薬の効能を見極め、新たな薬を生み出す、その過程を創薬と呼びます。生まれてから一度も薬を使ったことがない人は、おそらく日本にはほとんどいないでしょう。それほどに医薬品は人々にとって身近なものです。そしてまた、今はまだ根治の難しい病気を患っている方々や、治療に当たっている先生方には、高い有効性を持つ新薬の開発が待ち望まれています。このように人々の生活に密に関連している医薬の世界に関われたら……そんな思いで、私は製薬会社に的を絞った就職活動を始めました。

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何度も何度も振り返る

医薬品を研究・開発する業務にも興味はありましたが、何より人と接することが好きな私に向いているのは、開発職よりも営業職だと自己分析。製薬会社の営業職(MR:医薬情報担当者)を求めて就職活動に挑むこととなります。そこで私の力となってくれたのは、応用化学科で鍛えた「過程を振り返る力」でした。実験に失敗したときだけでなく、成功したときも見直しを行い、よりよい結果につなげていく。そうした学びは、就職活動にも応用できるものでした。

例えば、面接で聞かれたことや答えたことを書き留めて、自分を見つめ直す。これだけで、同じ失敗を繰り返さず、次へと前進する力になってくれます。また、実験とレポートの繰り返しで培った「筋道を立てて考える力」は、将来、MRとして結果を出すための基礎力となって、私を支えてくれるだろうと期待しています。

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充実した4年間が後ろ盾に

応用化学科で「創薬」を学んだ私が、MRとして目指すのは「攻め」の姿勢です。絶えず進化を続ける医薬業界の情報を貪欲に吸収しながら、医師の知識量に追いすがり、医師から信頼され、医師に対して積極的に提案していけるようなMRになりたいと考えています。将来的には営業のスペシャリストとして、大きな病院や大学病院の担当を任されるようになり、たくさんの後輩から目標とされるMRになれたらうれしいですね。

そんな今の私がみなさんに伝えたいのは、「素直さ」と「直感力」を大切にしてほしいということ。自分を大きく見せようとしたところで、百戦錬磨の企業人に敵うわけがありません。素直な気持ちで正直に、そして自分自身の直感を信じて就職活動に取り組んでください。東洋大学での4年間は、きっとあなた自身の後ろ盾になってくれるはずです。

大川 真穂さん理工学部 応用化学科4年

  • 内定先:久光製薬株式会社
  • 所属研究室:生物有機化学研究室
  • 群馬県立太田東高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです