ことばはコミュニケーションの基礎になります。教養を身に付けるための「基盤科目」であるこの授業を通して、正しい言葉を学びましょう。敬語を使う基礎として、フォーマルな場では避ける表現があります。「チョー(超)」という言葉は、「とても」の意味で、若者言葉では「チョー+名詞、形容詞、または動詞」の形で使われていますが、本来は「超特急」などのように、「超+名詞」の形で使う言葉です。「さ」入れ言葉の「させていただく」(例:読まさせていただく など)は誤った使い方で、「さ」は「する」の動詞の変形で、「さ」だけで動詞の意味があるので、「せていただく」という言葉に、五段活用の動詞をつける(例:読ませていただく)のが正しい形です。また、「ら」抜き言葉で間違いやすい、「れる」「られる」という言葉には、「可能形」「受身」「自発」「尊敬語」の4つの使い方があります。「ら」抜き言葉は、「食べれる」など可能形「~できる」の意味で使用されますが、正しくは「食べられる」と「ら」を抜かないように気をつけましょう。さらに、「バイト敬語」でよく使われる、「千円からお預かりします」「コーヒーになります」なども誤用で、正しくは「千円をお預かりします」「コーヒーでございます」になります。ほかにも「すごいおいしい」という言葉は文法的に誤りで、形容詞の「おいしい」は用言で、その後には連用形が続くので「すごく」となり、「すごくおいしい」が正しい表現になります。私たちは文法的な誤りや、バイトで使う言葉や若者言葉など、違う言葉を使用してしまうことがあります。言葉遣いは大学生、そして社会人のマナーであり、その人の品性を表すものなので、正しい言葉遣いで話すようにしましょう。

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高橋 直美教授福祉社会デザイン学部 子ども支援学科

  • 専門:日本近代文学(宮沢賢治)、昔話、妖怪
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