世界中で高齢化が進むなか、人の健康を維持するだけでなく、人と繋がることにおいても運動やスポーツの果たす役割が大きいことが明らかになっています。「健康寿命」とは、自分で自分のことができて、元気で長生きしていられる期間を指します。年齢が上がるにつれて、自分で自分のことができる「自立機能」が低下していきます。加齢とともに心身の活力が低下し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態を「フレイル」といい、自立と要介護の間の期間を指します。「フレイル」は身体的、精神的、そして社会的な三つの要素で構成され、身体的かつ精神的な要素が維持されていないと、社会的な人との交流が失われていくとされています。そこで、研究室ではこれまで身体的な「フレイル」を予防する運動プログラムを開発し、シニアの人と学生による健康教室を5年以上にわたり開催してきました。学生が直接体操を指導し、話をしたりすることでシニアの人たちにとっても楽しい時間となり、その結果体の状態も良くなっています。今ではシニアの方々が、運動の楽しさを伝えるために街の中での体操教室に参加して、より広い交流に繋がっています。運動プログラムを作ることは、体の機能を良くするだけでなく、人との交流を促し、シニア同士だけでなく、世代を超えた交流を生みます。外に出かけて行くことが身体活動量を促進し、その結果「フレイル」の予防に繋がっていきます。これからも運動を通して人や街を繋ぎ、そのためのツールやシステムを作って全体の健康寿命を上げていけるよう、貢献していきましょう。

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神野 宏司教授ライフデザイン学部 健康スポーツ学科

  • 専門:体力学、健康増進科学
  • 掲載内容は、取材当時のものです