大学の法学部で学ぶ法律の特徴は、高校での学習のように、法律用語を国語的に理解して暗記することではなく、その言葉が持つ働きや機能を意識して考えることにあります。この授業では、みなさんが知っている「日本国憲法は最高法規である」という言葉を中心に考えます。世の中にはさまざまな法律があり、上から「憲法」、国会が作る「法律」、地方議会が作る「条例」の順番となります。上(憲法)が下(法律や条例)に逆らうことを許さない、逆らった場合にはこれを無効にする(違憲)こと、これが「法の段階構造」です。国会などで成立した法律を、最高法規である憲法に照らして、有効であるのか、上に逆らっていないかを確かめる必要があります。憲法第81条に規定されている「違憲立法審査権」では、裁判官が違憲だと考えたらそれを無効とし、憲法の最高法規性を維持する法の段階構造が守られています。違憲立法審査権は裁判官が握っていますが、それは憲法の三大原則のうちの、「国民主権」「基本的人権の尊重」が守られていると言えるのでしょうか。違憲立法審査権こそが無効であるという考え方もできるのです。法学部で学ぶ法律で大切なことは、憲法ですでに定められていることについても疑問を持つことです。「相対的真理」の追求とは、答えが一つではなく複数成り立つこと、全く正反対の考え方も成り立つということです。それらを比較し、いずれに説得力があるのか、その説得力をもたらすものが理由や根拠の導入です。法学部での学びは、「なぜなのか」「おかしくないのか」と常に疑問を持ち、新しい法律を意識しながら毎日を過ごしていくことが重要なのです。

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宮原 均教授法学部 法律学科

  • 専門:憲法
  • 掲載内容は、取材当時のものです