健康への関心が高まるなか、健康保持や健康増進の分野に属するフィットネス業界は、右肩上がりで市場規模を伸ばしています。フィットネスクラブは大型施設が主流でしたが、近年では新しい業態が出現しています。今回は、コナミスポーツクラブとカーブスのビジネスモデルを比較します。価値提案、顧客との関係、顧客セグメント、チャネル、キーパートナー、主要活動、キーリソース、コスト構造、収入の流れの9つで構成される「ビジネスモデル・キャンバス」の項目を用いて比較すると、業界のリーダー企業であったコナミスポーツクラブが利益率を向上させることに苦戦しているのに対し、カーブスは固定費の削減、回転率による商売、ワーク・ライフ・バランスを重視した人材確保といった隠れたビジネスモデルを構築することで、利益率の高い事業を展開していることが見えてきます。また、コナミスポーツクラブのメインターゲットは、アマチュア・アスリートや健康志向が強い層ですが、カーブスでは、運動習慣のない中高年の主婦層を取り込んでいます。さらに、カーブスは30分で行う体操教室を実現し、シャワーなどの水回りを必要としないため、一般的なビルでも開業することができ、急速にフランチャイズの店舗数を増やすことに成功しました。ほかにも、顧客との密なコミュニケーションを重視し、口コミによる宣伝の仕組みを取り入れるなど、リーダー企業が真似できないビジネスモデルをつくり、差別化を図っています。これは、どの業界にも当てはまる戦略です。企業が激しい競争の中で生き残るためには、既存の企業とは異なる新しい市場を開拓し、持続性のあるビジネスモデルを構築することが重要なのです。

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大木 裕子教授ライフデザイン学部 健康スポーツ学科

  • 専門:経営学、組織論、アートマネジメント
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