「新しいお話を作るために小説を読む」授業について紹介します。取り上げる題材は、『浦島太郎』です。実は、私たちの知る『浦島太郎』は唱歌によるもので、『浦島太郎』の原型は、古くは『日本書紀』や『万葉集』に登場したり、太宰治や村上龍が描いたりするなど、さまざまなバリエーションが存在します。今回は、古典の中から『御伽草子』と『浦嶋子縁起』に出てくる『浦島太郎』をもとに、新しいお話作りに挑戦します。結末、メッセージ、登場人物の性別や語り手を変えるなど、自由な視点と発想でオリジナリティあふれる『浦島太郎』を完成させ、みんなで作品を共有します。このような授業の実践は、子供たちにどのような効果や意味をもたらすのでしょうか。以前、ある中学校で『浦島太郎』を読んだ後に、「新しいお話を作る授業」と「感想文を書く授業」を別々のクラスで行いました。すると、「お話を作るクラス」の生徒たちは、「感想文を書くクラス」の生徒たちよりも、たくさんの文章を書き、内容もさまざまで、その後の話し合いも意欲的でした。これらの結果を検証すると、「創作のために物語を読む」方法は、子供たちに読み書きの楽しさを経験させ、ほかの人と一緒に読む意味を実感する効果があると言えるでしょう。

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勝田 光講師文学部 教育学科

  • 専門:国語科教育学
  • 掲載内容は、取材当時のものです