現在の技術革新による社会経済の変化は、第4次産業革命とよばれています。その中で注目される物理的メガトレンドとして、「自動運転」「3Dプリンタ」「先進ロボット工学」「新素材」の4つが挙げられます。これらが実際に私たちの生活に入ってくる際に、IoT(Internet of Things)とよばれる仕組みは欠かせません。IoTとは、センサー、機器、そしてネットワークが、「インターネットに接続され」、「現在の課題を解決し」、「新たな価値を創造する」ことです。IoT機器によって、さまざまな技術やサービスを利用できる社会が実現すると、個人の行動の一挙手一投足がデータ化され、分析されるようになります。そのため、現実社会の「私」だけではなく、インターネット上(情報社会)での「私」、つまり「デジタル・アイデンティティー」を一人ひとりが意識しなければなりません。そこでポイントになるのが、「Privacy」「Identity」「Security」「Accountability(説明責任)」、そしてデジタル世界で扱われる情報に対する「Responsibility(責任)」です。大学や企業では、技術の応用だけではなく、ルール・社会制度などについても個々に研究が進められていますが、これらを社会全体で総合的に考える基盤がないのが現状です。社会や個人にとって「望ましい姿」を実現するためには、「情報を扱う側」だけではなく「情報を生み出す側」が、「社会経済の基盤となるプラットホームのあり方」や「多様な情報の取り扱い方」など、あらゆる視点から課題を明らかにして議論する必要があります。

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小林 和馬助教経済学部 総合政策学科

  • 専門:産業組織論、公共経済学、経済政策
  • 掲載内容は、取材当時のものです