2011年にスポーツ基本法がスタートし、「スポーツをする権利」が初めて法律に明記されました。スポーツを提供する団体側に対しても、スポーツを行う者の権利利益の保護や安全の確保、事業を適正に行うための遵守基準の作成、事故の防止や紛争の迅速かつ適正な解決、といった努力義務が定められています。町の小さな野球少年団も「スポーツ団体」です。罰則があるわけではありませんが、組織の大小にかかわらず、この法律に書かれた義務を果たすための「スポーツ団体の努力」、つまりガバナンス・コンプライアンスが求められているのです。また、この翌年にスタートした「スポーツ基本計画」は、「する」だけでなく、「みる」「ささえる」の3つのスポーツを通じ、楽しさ・喜び・感動・共感を得て、国民が、①スポーツで「人生」が変わる! ②スポーツで「社会」を変える! ③スポーツで「世界」とつながる! ④スポーツで「未来」を創る! という4つの指針を示しています。さらに2020年を前に、スポーツ・インテグリティの向上、つまり、ドーピングや八百長、差別などのない「スポーツに関する不正の防止」を掲げています。日本の大学スポーツでは、アメリカの大学スポーツを取りまとめた組織「NCAA」を参考に、「UNIVAS(ユニバス)」が立ち上がりました。今まで整備されていなかった多額の寄付金の管理などを健全化し、どの競技にも平等に分配されるような仕組みを作ったり、事故のないよう安全確保やルールの制定をしたりして、日本の大学スポーツの発展につなげようというものです。日本のスポーツ界を発展させるためには、スポーツ界自らが律し、模範となるような正しい行動をとることが重要なのです。

pf-yatsuka.jpg

谷塚 哲助教法学部 企業法学科

  • 専門:スポーツ法
  • 掲載内容は、取材当時のものです