「設備」と「環境」は空間の雰囲気を大きく変える影響力を持っており、とても重要な分野です。今回の講義では「設備」として照明設備の概要について、「環境」として色彩の心理的効果が建築にどのように影響するのかを学びます。まず照明設備では、建築物に人工光源を取り入れる際、誰が、いつ、どのように使用するのか、その使用目的やライフスタイルを明確化させる必要があります。そのうえで演出の要素(自然光と人工照明の協調、明暗の程度、美的効果)、照明の方法(直接照明や間接照明など)、保守管理性、省エネルギーについて、全体の雰囲気や内装との調和とともに考慮し、どのようなに取り入れていくかを決定していきます。例えば演出として自然光を取り入れたい場合、自然光だけでは暗過ぎることもあるため、明るさを安定して供給できる人工照明を組み合わせ、調和をとっています。また人工光源には蛍光灯、白熱灯、高圧水銀灯、ハロゲン灯、LEDランプなどがあり、種類によって空間のイメージが大きく変わるため、使い分けることも重要です。次に、建築で使われる色彩には色の3要素(明度、彩度、色相)で表示する「マンセル表色系」と、3色(赤、緑、青)の波長によって分けられる「XYZ表色系」があります。色彩の心理的効果は大きく、例えば寒色系に色彩計画された部屋では時間が経つのが早く感じられますが、暖色系では長く感じられるなど時間の感覚にも影響を及ぼします。照明設備同様に色彩を上手に活用し、「環境」と「設備」を上手く融合していくことが大切です。

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田中 毅弘教授理工学部 建築学科

  • 専門:建築・設備の維持管理・運用、リスクマネジメント、信頼性・保全性、BCP・BCM、建築・消防法規の判例研究
  • 掲載内容は、取材当時のものです