産業や生活の基盤として整備され、社会資本に欠かせない材料であるコンクリートは、でき上がったばかりでは柔らかく、型枠に入れて時間が経つと、セメントと水が化学反応を起こして固まります。その硬さは非常に強く、1平方センチメートルあたり300㎏の圧縮力にも耐えるという特徴を持っています。ところが引っ張りにはとても弱く、子供がぶら下がるだけで壊れてしまうような欠点を持っています。そこで、解決策としてコンクリートの中に鉄筋を入れることによって、簡単に壊れないよう工夫がなされてできたのが鉄筋コンクリートです。社会資本である新幹線や橋、ダムや港、空港、道路や水道といったコンクリート構造物は、ほとんどこの鉄筋コンクリートで作られています。ところが、どうしても細かいひび割れはできてしまいます。鉄筋コンクリート構造物の強さそのものには悪い影響は全く及ぼしませんが、こうした細かいひび割れを通って、外からの水や有害な空気、海からの塩水がコンクリートの中に入ってしまったら、中の鉄筋がさび、鉄筋の体積が膨張してコンクリートを押し広げ、大きなひび割れを発生させてしまうのです。こうなると構造物としては大変危険なため、そうならないように維持管理をする必要があります。私たちが普段から健康に気をつけるように、社会資本も定期的な健康診断が必要なのです。材料、構造物、維持管理技術などを学び、社会資本の整備、管理を通じた安全で住みやすい社会の実現に役立つ知識を身につけ、日本の発展に役立てましょう。

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福手 勤教授理工学部 都市環境デザイン学科 ストックマネジメント研究室

  • 専門:ストックマネジメント、社会資本のメンテナンス、耐久性向上、信頼性向上に関する研究
  • 掲載内容は、取材当時のものです