私たちが考えているほど、常に安定した理想的な通信は行われていません。実際の情報通信の状況を解析する技術である「パケットキャプチャー解析」は、パケットの送信状況や受信状況を全て記録し、通信状況を解析する技術です。その一つの適用例としてPLC(電力線)通信を取り上げます。PLC通信とは光回線終端装置とルーターを接続し、小さなアダプターをコンセントに差してLANケーブルを接続することで、他のコンセントがある場所に電力線を伝ってパケット信号を流し、インターネットなどが使用できるようにするものです。電波が届きにくい2階にも流すことができ利便性に優れますが、実際にパケットキャプチャー解析をしてみるとさまざまな家電等が大きく影響を及ぼしており、本来ならばまとめてパケットを送るバースト信号を受信できるはずが、受信できなくなる時間帯ができ、回線が不安定になっていることが分かります。このようにパケットキャプチャー解析によって影響を可視化して明確にすることで、課題解決につながり、より快適な通信環境の構築や新しい通信方式の研究にもつながっていくといえます。現在、PCやスマートフォンの普及に伴い、ネットワークを流れる情報量が飛躍的に増大しています。今回取り上げたパケットキャプチャー以外にも、種々の技術が開発され、情報通信の研究はますます進展していくでしょう。今後はより高速、よりレスポンスのよい低遅延な、使い勝手に優れた情報通信ネットワークの実現が期待されます。

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篠永 英之教授理工学部 電気電子情報工学科 情報通信ネットワーク研究室

  • 専門:情報通信工学
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