現在、世界では460万人以上の学生が外国で学んでいます。留学の定義も広がり、実地調査やインターンシップなど、さまざまな形で留学の経験ができるようになりました。日本においても9万6,000人の学生が外国で学び、26万7,000人の外国人留学生を受け入れています。わが国は2020年までに30万人の留学生を受け入れ、日本人留学生も12万人まで増やす目標を掲げており、東洋大学も文部科学省のスーパーグローバル大学創生支援の採択大学として、2023年までに留学生の受け入れ数や海外への派遣人数、英語による講義(EMI)やコース(ETP)を増やすという目標を掲げています。

では、なぜ人々は留学をし、国を挙げて留学数を増やす必要があるのでしょう。留学経験を持つ4,489人を対象に、留学でキャリアや人生がどう変わったかを調査したところ、国際交流に強い興味を持ち、異なる文化への寛容性があり、リスクを恐れず挑戦する意欲が強いという傾向が認められました。これは個人としての留学の有益性であるとともに、国にとっても外交上の利益になると考えられます。また、日本文化に理解ある人を増やすことは、その人が自国に戻った際、日本社会にとっての大使となり得ます。また、高齢化が進み若い労働力の減少に直面する日本では、留学生を積極的に受け入れることで若く優秀な人材を増やせる重要な機会となります。留学生を送り出す側としても、海外で学んだ学生が戻れば優れた労働力になり得ます。このように、留学は頭脳流出の恐れ、文化や言語の壁、経済的負担など多くの障壁もありますが、享受するメリットは大きいのです。多くの日本人学生が留学することを願っています。

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芦沢 真五教授国際学部 国際地域学科

  • 専門:教育の国際化・国際教育交流、異文化理解
  • 掲載内容は、取材当時のものです