病院で診断に使う機器類は大規模で、一度に多くの患者に対応できず、検査のためには大量の血液が必要です。もっと小規模で、わずかな検体を採取することで兆候がわかるような方法はないのでしょうか。授業では、いつでも、どこでも、だれでも血液情報が分析できる、小型チップ開発という研究内容を紹介しました。さまざまな物理量を測ることができる、光を使った分析器の機能を搭載すれば、断層撮影まではいかなくとも、細胞内の分布計測が実現できるでしょう。また、素材に透明な樹脂製のチップを使えば、いろいろな色の光を使うことができ、細胞に光を当てると一定に変色する性質を使えば、精度の高い結果も得られます。素材は樹脂製のため、チップ内に検体を通す溝を作ることや、光の屈折を利用し、光の通り道を自由に調節することもできます。そして、水・空気で光の屈折が変わる性質を利用して、光を減衰させずに遠くまで届けることも可能です。さらに、蛍光の発光の仕組みを利用すれば、CTスキャナーのように、放射状の光の通路を使い、検体中の試薬(蛍光体)の分布がわかるのではないかとの理論のもとで、チップの試作も進められています。これはチップに光の通り道と、真ん中に検体の通り道を作り、光を当てて蛍光体を調べるというものですが、現在は、直径5ミクロンほどの模擬血球の蛍光発光の分布が、数ミリ秒で測定できる段階です。みなさんならどのような方法が考えられますか?

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大久保 俊文教授理工学部 機械工学科 マイクロメカトロニクス研究室

  • 専門:ファイル記憶、超高密度小型光メモリの開発、高密度磁気記録、走査型プローブ顕微鏡のメモリ応用
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