社会経済思想史は、社会経済についての考え方、アイデアについて考えていく科目です。そのなかでも、伝統を大切にする思想である保守主義の起源は、経済学が誕生した18世紀後半頃にさかのぼります。アダム・スミスは、政府による規制を批判し、隣国を攻撃しなくても、経済活動を自由にすることで、お互いの社会が繁栄すると唱えました。保守主義のエドマンド・バークは、フランス革命を批判し、宗教的迫害を強く否定しました。自分と異なる意見や宗教を持つ民族に対して一定の理解を示し、許容しようと寛容であることを訴えたのです。これらの共通点は、自由を守ることで社会を繁栄させ、自国だけではない共存共栄できる社会をつくろうという点です。こうした、グローバルなビジョンによる共存共栄を目指す考え方は、現代にもつながる大切な視点です。近年の国際情勢・政治状況は、自国の産業を保護するため他国の製品を排除するといった保護主義や排他主義の政策、政治の右傾化など、アダム・スミスやバークの考えとは相反すると言えます。彼らの思想を深く学ぶことで、これからの社会をどのように築いていけばよいのか、大きなヒントを得ることになるでしょう。

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佐藤 空講師経済学部 総合政策学科

  • 専門:社会思想史、経済思想史
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