植物の色素には4大色素があり、脂溶性(カロテノイド、クロロフィル)と水溶性(フラボノイドやアントシアニン、ベタレイン)に大別することができます。例えばアサガオの色水遊びは、アサガオの色素が水溶性なことを利用し、加えるものによって変化を楽しむものです。これらの植物色素を使ったサイエンスは、実生活で数多く活用されています。今回は実際に花を使った実験で、色素の性質について観察します。実験の手順は、消毒用アルコールの入ったチューブに花びらを入れて押し潰し、レモン水を入れて色が変化するか、油と水を加えるとどうなるかを観察します。「2相分配法」とは、油と水という混じり合わない2液を利用して色素を分離させ、どちらに親和性が高いかを調べる方法です。今回使用した3種類の花からは、油の方に脂溶性のカロテノイドが、水の方に水溶性のアントシアニンが分離される様子が見受けられました。この2色が合わさって花の色を出していたことがわかります。このように脂溶性と水溶性の色素をあえて混ぜ、一緒に楽しめるようにしたのが、ドレッシングやラー油です。また、レモン水を加えて色が変化したのは、花にアントシアニンが含まれるためです。アントシアニンは食品のphによって色彩が変化する性質があるため、食品の色素としての添加物として用いられています。このように、私たちの身の回りで多く活用されている“色素のサイエンス”を、みなさんも探してみましょう。

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佐々木 伸大教授食環境科学部 食環境科学科 フードサイエンス専攻

  • 専門:植物化学、植物細胞工学
  • 掲載内容は、取材当時のものです