「宇宙技術」というと、みなさんは人工衛星などを想像するのではないでしょうか。「測量」とは、地球上での各地点の位置を求めることであり、この結果をまとめて地図(地理空間情報)として表すことをいいます。現在では、紙の地図だけでなく、デジタルデータが地理空間情報として取得されます。GPSなどの測位航法衛星が出す信号電波を利用して、受信機の位置を精密に求めることができる宇宙からの測量方法があります。これらは総称して、「GNSS(全球測位衛星システム)」といいます。衛星は、宇宙空間にある位置の決まった基準点で、その衛星から電波を出しています。GPS衛星による位置測定の原理である「単独測位法」は、カーナビやスマートフォンの地図アプリなどで広く使われており、自分のいる位置を示してくれるものです。ただし、単独測位法では精度が落ちるため、測量向きではありません。そこで、衛星から届く電波の搬送波の信号を物差しとして使うことで、精度を上げることができます。日本が打ち上げている準天頂衛星「みちびき」は、現在、準天頂軌道に3機の衛星が常時交代で日本の上空にいます。2010年度に初号機が打ち上げられ、2018年度から本格運用が予定されている衛星です。これまでGNSSはカーナビや地図アプリ、航空機などのナビゲーションや測量などで使われていましたが、今後、さらに利用分野が広がり、建設工事や精密農業、自動運転など多方面での発展が期待されています。

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政春 尋志教授理工学部 都市環境デザイン学科

  • 専門:空間情報学、画像等からの空間情報の取得技術、地理空間情報の分析と地図表現
  • 掲載内容は、取材当時のものです