人間の未来は、30~40年後の近い将来なら、今とそう変わらないと思いがちです。しかし、異常気象で短時間に大量の雨が降るなど、実際に地球の環境は変わってきています。石油や石炭は今の調子で使い続けていくと、40年後にはなくなってしまうと言われています。エネルギーがないということは、モノづくりができなくなるということです。そこで、「バイオミメティクス(生物模倣)」の視点から対策を考えてみましょう。バイオミメティクスとは“生物の持つ優秀な機能や形状を模倣して、工学・医療分野に応用すること”です。たとえば、魚や動物は水中でどのようにエサを得ているのか、皮膚の構造がどのようであれば体を守れるのかといったことを、魚や動物から学びます。また、光合成での栄養の自給自足や、多様な形状でさまざまな環境に対応する術を植物から学び、どのように人間に反映するのかを考えるのです。工学がめざすのは、人の生活や幸せを想像し、より豊かに、より便利になるようなモノづくりです。動物の運動の仕組みから力の出し方を計算し、恐竜の骨からその立ち姿を想像し、カエルの泳ぎ方から学んで乗り物を作るのは力学の知識です。このように、モノや生物を生体工学的な側面から見るためには、さまざまな知識が必要なのです。

pf-mochizuki.jpg

望月 修教授理工学部 生体医工学科 生物機械システム研究室

  • 専門:バイオミメティクス、マイクロ医療機器の開発
  • 掲載内容は、取材当時のものです