私たちの生活に密接に関わる「民法」は、条文数の多さが学習上の悩みの種と言われますが、工夫次第で効率的に学ぶことができます。そのためには、法的思考方法を会得するとよいでしょう。「IRAC(アイラック)」という考え方を身につければ、具体的な問題を、憲法および法律に照らして平和的に解決することができるようになります。まず、当事者は何を争っているのか、「Issue(問題の所在)」を確認します。憲法や法律は最終的な問題の解決のよりどころとして示されますが、条文は文字や文で書かれているため意味内容が明らかでない場合があります。そこで、条文上の根拠「Rules(判例・学説)」をもとに法の解釈をするのです。次に、確認した抽象的なルールと、問題になっている具体的な事実を結び付け「Application(あてはめ)」をし、法律効果の有無を判断します。また「Argument(議論)」によって、自分とは異なる意見についても述べ、どのように考え、なぜその立場に立ちたいのかを明らかにします。そして問題提起をしたら、必ず「Conclusion(結論)」で終えます。法律は説得の学問だとも言われ、自分の主張を展開する際、理由を明らかにする必要があります。教えられた内容をそのまま倣うだけでは不十分です。興味を持ち、疑問を持ったものについて、自分自身で積極的に学ぶことが大切です。

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深川 裕佳教授法学部 法律学科

  • 専門:民法
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