アンブッシュマーケティングとは、公式スポンサーではないにも関わらず、そのイベントと結びつきを作って、認知・注目・信用などの便益(ベネフィット)を得ようとする活動のことです。便乗マーケティングとも言えるかもしれません。
例えば、1984年ロサンゼルスオリンピックで公式スポンサーになれなかったナイキは、自社ロゴと個人契約アスリートを描いた巨大壁画を五輪の主会場近隣に掲出展開しました。その結果、42%もの人が、ナイキが公式スポンサーだと誤認したのでした。一般的に消費者は、どの企業が公式スポンサーなのかということに無関心で、公式スポンサーが何をしているのかという知識もないため、それらしい活動をする企業を公式スポンサーだと誤認する可能性が大きいのです。しかし、これでは高い費用を支払って公式スポンサーになった企業が不利益を被ります。そこで主催者側は、アンブッシュマーケティングを抑制するために規制、優先交渉権、レバレッジ、社会的訴求といったさまざまな対抗策を取っています。
今やアンブッシュマーケティングは、幅広く展開されています。2020年に東京で開催されるオリンピックでは、主催者側がこのアンブッシュマーケティングとどのように向き合っているのかに注目しながら楽しむのも面白いかもしれません。

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李 炅泰准教授経営学部 マーケティング学科

  • 専門:国際マーケティング論
  • 掲載内容は、取材当時のものです