赤ワインが体にいい、と言われるのはなぜでしょう。これは、赤ワインにポリフェノールが含まれているからです。ポリフェノールは、ほとんどの植物が持っている抗酸化物質の1つで、チョコレートや緑茶、コーヒーなどにも多く含まれています。抗酸化物質は、活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素は体に害のある紫外線や放射線だけでなく、体内での代謝によっても生まれ、さまざまな病気の原因となっています。なかでも日本人の死因の上位を占める心疾患や脳血管疾患は、活性酸素が原因の動脈硬化による疾患です。動脈硬化は、血液中に増えすぎたLDL(悪玉コレステロール)が活性酸素によって酸化され、本物の悪玉コレステロールである酸化LDL となり、血管壁を傷つけ血管をふさぐことで起こります。ポリフェノールはLDLを酸化LDLにさせにくくする、つまり動脈硬化を起こしにくくさせることができるのです。
普段私たちは食事をする時、お茶やみそ汁などポリフェノールを含むさまざまなものを一緒に摂っています。世界の中で、日本における心疾患での死亡率が最も低いのは、日本人の食事(食べ合わせ)が間違っていないといえるのではないでしょうか。フランスが3位という結果を示すのも、ポリフェノールを含む赤ワインをたくさん飲むことに由来するのかもしれません。食べ物1つ1つが体に良い、ということだけでなく、食べ物が私たちの健康にどう役立っているのかを知り、食事の意味合いを考えてみましょう。

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近藤 和雄教授食環境科学部 健康栄養学科

  • 専門:医学(内科学)、脂質代謝学、臨床栄養学
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