住宅総数が世帯総数を上回り、放置・放棄される空き家が増えてきています。都市部に戸建ての空き家が増え、郊外に次々新しい住宅が出来ていることも問題です。こうした状況にもかかわらず住宅を大量につくり続ける「住宅過剰社会」から転換し、まちづくりをしていく必要があります。空き家のリノベーションを行って魅力ある空間にレベルアップさせていけば、中古住宅市場や賃貸住宅市場へ流通させることもできるでしょう。
東洋大学の建築学科と埼玉県の毛呂山町は、連携して“空き家ストックを活かしたまちづくり計画演習”を始めました。毛呂山町の駅周辺は古くに開発された区域で空き家が目立つ一方、郊外には平成になってからできた「飛び市街化区域」があります。そこで、バスを通して駅と郊外を結び、駅周辺の空き家を活用してシェアオフィスやシェアアトリエを作ったり、飛び市街化区域にバーベキューができる公園を作ったりして、行き来する機会が増えるようなアイデアを出します。そうしてそれぞれの区域のニーズを上手にマッチングさせ、町全体の活性化を進めようという演習です。建築学科の皆さんと一緒に、この空き家を活かしたまちづくりが新しいビジネスモデルとなっていくようにしていきたいものです。

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野澤 千絵教授理工学部 建築学科 都市計画・まちづくり研究室

  • 専門:都市計画、人口減少に向けた都市計画、まちづくり手法、都市再生、住宅政策
  • 掲載内容は、取材当時のものです