農林水産物や食品が生産者から消費者に届くまでのトータルな流れを「フードシステム」といいます。このフードシステムを経済学的に捉え、私たちの「安全で安心な真に豊かな食生活」を実現するためにはどうしたら良いのかを考えてみましょう。
今日の大きな食市場は、フードシステムの中の「食品産業」が機能を果たすことによって支えられています。食品産業とは、流通、製造、外食などさまざまな産業を指し、現在の食品市場はこれら一連の企業・産業間のつながりによる、高度で複雑なシステムとなっています。また、最終的な製品の価格について、上乗せした付加価値額の割合がそれぞれどれくらいで、どう変化したかを検証することで、産業ごとの利益の比較だけでなく、それぞれの役割や時代の変化も見て取れます。中でも顕著なものとして、輸入品の増加と、食の外部化が挙げられます。食料貿易がグローバルに展開し、食生活が高度に多様化していることや、私たちの嗜好が変化していることがわかります。そこから、国内自給率の低下、大きくなったフードシステムを支える産業・企業のこれからの発展、途上国である生産国の環境問題、消費国の食品ロスの多さなどといった、さまざまな経済的に考えるべき課題を問題提起し、考えていくことが、フードシステムの経済を学ぶテーマといえるでしょう。

pf-nojima.jpg

野島 直人教授食環境科学部 食環境科学科 食品流通経済学研究室

  • 専門:食品流通経済学、食品産業論、食品経済論
  • 掲載内容は、取材当時のものです