カリブはアメリカの奴隷制や搾取、矛盾を背負った地域で、19世紀には奴隷反乱の時期も長く続きました。その時期のカリブ地域に生きた「クレオール」のメアリ・シーコウルという女性は、非常に大きな功績を残して充実した人生を送りました。「クレオール」とは黒人との混血を意味します。彼女はクリミア戦争で医師・看護師として活躍、多くの人の命を救い、自伝も出版しました。また、冒険家でもあり、料理人、商売人という顔も持っていました。さまざまなものが混在しているこれこそ、カリブの特徴そのものです。
シーコウルの生き方からは「自分たちは西洋の亜流ではなく独自のものがある」というメッセージが伝わってきます。また、シーコウルを通してジャマイカの文化を見ると、私たちが学校で学んで来たことは世界の常識かのようですが、実際はかなりヨーロッパ中心のものであるということが分かります。社会文化システム学科のみなさんは、マイノリティに注目し、眠っている価値、まだ見つけられていない価値を発見し、学んでいってほしいと思います。

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三石 庸子教授社会学部 社会文化システム学科

  • 専門:地域研究、文学、米文学

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