ドイツでは閉店法によって日曜日に店の営業はできませんでしたが、憲法改正により、州ごとに決められるようになりました。その結果、「ベルリン開店法」では、年間10日間は日曜日の開店もOK、そのうちアドヴェント(「降臨節」とも呼ばれるクリスマスまでの1カ月間)の日曜日4日間も含むとしました。この法律をキリスト教会が「憲法違反」と訴えたのが、ベルリン・アドヴェント事件です。ドイツの連邦憲法裁判所は、「保護義務の水準を満たしていないため基本法違反」と判断しました。こうした判断には、国民の保護を口実に国家が介入し、私的自治の侵害につながるという問題が潜んでいます。また、日本では具体的な事件を解決するために違憲審査権を行使するのに対し、連邦憲法裁判所では憲法裁判ができる唯一の機関として、事件に関係なく審査できるので、「司法の政治化」という批判もあります。
このように、外国の憲法と日本の憲法を比較して学ぶ「比較憲法」では、社会全体に視野を広げて検討していく面白さがあります。外国の憲法や憲法判例を学ぶことが、日本国憲法を考えるきっかけとなってくれることを願います。

pf-takechi.jpg

武市 周作准教授法学部 法律学科

  • 専門:憲法

  • 掲載内容は、取材当時のものです