飢餓による死者は世界で1日に2万5,000人以上と言われる一方、大量の食品廃棄が発生しているという矛盾があります。この「食品ロス」の問題に、食品微生物学はどのような貢献ができるのでしょうか。生鮮食品や弁当、総菜類の消費期限が2日程度のため、多くが廃棄されることを考えると、「保存性の向上(ロングライフ化)」が食品ロス削減に有効です。ロングライフ化をするためには、食品をなるべく低温で保管すること、包装内の空気を除去し、不活性ガスを充てんして密封するMAP(ガス置換包装)、適切な濃度の日持ち向上剤を配合するなどの方法があります。佐藤先生の研究室で行われた実験の結果、冷蔵温度を2度低下させたことで、惣菜類の消費期限は2日以上延長でき、日持向上剤を添加すると、さらに保存性が向上しました。これにMAPも組み合わせることで、さらなるロングライフ化が期待されます。
日本には「もったいない」という素晴らしい言葉があります。この「もったいない」の精神で、食品ロスの問題に対応していくことが大切です。

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佐藤 順教授食環境科学部 食環境科学科 食品微生物学研究室

  • 専門:食品衛生微生物の食品中での発育挙動、制御および測定法に関する研究

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