人が食事をして「おいしい」と感じる要因には、食べ物の味や香りなどのほか、心理的、生理的なことも関わってきます。テクスチャーもその1つですが、テクスチャーの中でも特に植物性食品の「固さ」に焦点を当てて考えてみます。
野菜や穀類などの植物性食品は、加熱やphの変化で軟らかくなったり硬くなったりします。これは植物性の食品が持っているセルロースやヘミセルロース、ペクチンなどの細胞壁多糖類のうち、ペクチンの変化によるものです。Ph3以上の酸性の時は加水分解が起きて軟化し、ph5以上のアルカリ性の時はβ脱離が起きて軟化します。また、50℃~80℃に加熱された際には硬化が起こりますが、そのまま加熱を続けて80℃以上になると軟化が始まるので、硬化に気が付かないこともあります。ただし、50℃~80℃の温度帯にいつまでも置いてしまうと、それ以上軟らかくはなりません。
「食べ物が硬くなる」というとあまりいいイメージではないかもしれませんが、煮崩れ防止や、シャキシャキ感を残すなど、調理に役立てることもできます。自分で実際に調理をする際に、いろいろ試してみてください。

pf_iijima.jpg

飯島 久美子准教授食環境科学部 健康栄養学科 調理学研究室

  • 専門:豆および野菜の調理における軟化・硬化に関する研究

  • 掲載内容は、取材当時のものです