ダイヤモンドは材料の王様と言われ、「地球上で最高の」という接頭語がよく付きます。それは高硬度、耐薬品性、音・熱良導体、高・広透明性という優れた特性があるからです。
気相合成ダイヤモンドは、新しい炭素材料であるニューカーボンズの一例です。これは人工的にメタンガスから作ったもので、ダイヤモンド粒子がたくさん集まってできた薄い膜の形状をしています。従来の材料を薄膜の気相合成ダイヤモンドで覆えばダイヤモンドの性質を付与できるということは、非常に大きなメリットです。
また、ダイヤモンドの成長には、ダイヤモンドの表面における水素の化学吸着が大きく関わっています。この研究の知見を活かした新しい炭素材料合成も行われており、現在は燃料電池やリチウム電池などの材料に応用した研究も進んでいます。さらにダイヤモンドをより安く、より大量に作る方法として、アルコールによる新規材料合成法の開発にもつながりました。このように、1つの知見をもとに、そこから研究は広がっていくのです。

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蒲生(西谷)美香教授理工学部 応用化学科 ダイヤモンド研究室

  • 専門:材料化学、無機工業材料

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