「フェアトレード」とは、弱い立場の生産者や労働者のために生まれた貿易パートナーシップのこと。しかし、この仕組みは本当に彼らのためになっているのでしょうか。
彼らには独自のコミュニティがあり、人間関係があります。たとえばフェアトレードの最も一般的な品目であるコーヒー豆では「農家」と「仲買人」という関係があり、そこに外部の人が作ったフェアトレードというルールが参入することで、それまでになかった摩擦が起こります。
フェアトレードの協同組合に売った方が割高になる年もあるのに、農家があえて仲買人に売る理由は? 以前は組合に加盟していたのに脱退しまう理由は?
文化人類学とは、研究者が実際に現地に住んで、その社会がどのようになり立っているのか研究する学問です。授業で取り上げるラオスのフェアトレードの事例も、相手の社会や文化を理解しなければ、答えは見えません。そうして導かれる結論は、インタビュー項目を作って数時間話を聞くだけでは決してたどり着かないものです。文化人類学の魅力とは、実際に現地で暮らして理解を深めていくところにあるといえるでしょう。

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箕曲 在弘講師社会学部 社会文化システム学科

  • 専門:文化人類学、東南アジア地域研究

  • 掲載内容は、取材当時のものです