「英語のアウトプットの場」として、1年生の時から積極的にECZ(English Community Zone)を活用してきた、国際地域学部国際観光学科(現・国際観光学部 国際観光学科)3年の竹中一稀さん。日本語使用は厳禁、英語しか話せない環境に身を置くことで、英語力向上に励み、現在はスタッフとして学生のサポートをしています。2020年、日本でオリンピックが開催される年に就職予定の竹中さん。大学で学んだ観光学とECZでの経験を生かし、日本の良さを海外の人たちに伝えていきたいと話します。

ECZで働く先輩の背中を追って

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ECZの存在自体は、入学前に大学のウェブサイトを見て知っていて、英語力を伸ばすのに役立ちそうなので、ぜひ利用したいと考えていました。また、大学受験の時から英語学習に力を入れていたので、英語力に多少の自信もあり、どれくらい自分の英語が通じるのかを試してみたいという気持ちもありました。

しかし、入学してから実際にECZに行ってみると、留学生同士の会話のテンポはとても速く、自分の話したことが全く通じなくて、つらい思いをしました。そんな時、ECZのスタッフとして働いていた同じゼミの先輩が、私と留学生の間に入ってサポートをしてくれ、英語で流暢にコミュニケーションを取っている場面を目の当たりにしました。そんな先輩の姿を見て「かっこいいな」と憧れ、いつか自分も英語が苦手な学生の手助けができたら、と考えるようになりました。1、2年生の間は、ECZに通いながら、聞き取れるワード数を少しでも増やせるように帰宅してから単語帳で調べるようにして、前日に聞き取れなかったことが今日は聞けるようになれたらと、勉強を続けました。そして、書類選考や面接を経て、3年からはECZのスタッフとして働いています。

日本人学生と留学生の架け橋になりたい

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東洋大学への留学生の数は増えていると聞きますが、実際に話して友達になり、休日に一緒に出かけたりするような距離感になるのは、なかなか難しいと思います。また、大学内でも英会話の講座などもありますが、多くが有料のため手が出しづらい面もあります。一方で、ECZはお金をかけずに同年代の留学生と日常会話をしながら友達づくりができる、最高の環境だと思います。

私もスタッフとして働く前は、単に自分の英語力を上げることだけを考えてECZを利用していましたが、スタッフとなった今では、周りの学生の様子をよく見るようになりました。ECZを利用した学生の意見の中に、「入りづらい」という声がよく挙げられています。自分もかつてそうであったように、英語が苦手な学生が入ってきたときには、こちらから積極的に話しかけて、会話をうまく引き出せるように心がけています。そして、自分が架け橋になって、日本人学生と留学生が楽しく交流する場をつくり、継続的にこのECZを利用してもらえたらと考えています。

現在はECZのスタッフとして、利用してくれる学生のサポートはもちろん、月1回行われるイベントの企画もしています。例えば、10月にはハロウィンを、11月にはJCZ(Japanese Community Zone)と題して、日本人が留学生に日本語でサポートするイベントも開催しました。スタッフは12名おり、留学生はさまざまな国から来ています。週1回のミーティングでは、どんなイベントにするかをスタッフ同士で意見を出し合いますが、そんな時も留学生スタッフは、どんどん自分の意見を出し発信力があるので、憧れすら抱くほどです。1年生の時に参加したアメリカ・オレゴン州への短期語学研修でも感じたのですが、現地の学生はみな、自分の意見をはっきりと述べることができています。自分の意見を発信することの大切さを痛感し、それまで私はあまり積極的に自分の意見を発言できなかったのですが、ECZスタッフとなってからは、日々、英語でコミュニケーションを取りながら、互いの文化の違いを共有し、できるだけ自分の意見をしっかりと伝えることを意識しています。

失敗を原動力に、努力を惜しまず

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国際観光学科で学んでいることもあり、将来的には旅行会社や航空会社での就職を目指しています。2020年には東京オリンピックが開催されるので、ECZで培った英語力やコミュニケーション能力を生かし、日本の文化や良さをより多くの人たちに伝えていけたらと思っています。

これから受験を控える高校生のみなさんも、模試の結果などを見て一喜一憂したり、一生懸命努力しても、自分が思い描いていた結果にならなかったりすることもあるかもしれません。実は私も、第一志望の大学には合格できず、当時は悔しい思いをしました。しかし、それがかえって学業に打ち込む原動力となり、大学に入学してから日本人だけでなく、各国からの留学生とも出会い、多くのことを経験することができました。今では、東洋大学に入学できて心から良かったと思っています。大学受験で人生は決まりません。努力をしていれば、必ず次につながる。私はそれを実感しています。

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竹中 一稀さん国際地域学部 国際観光学科(現・国際観光学部 国際観光学科)3年

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