国際地域学部(現・国際学部)国際地域学科のミッチェル ティファニー希さんは、早くも2年次に「Toyo Global Leader(TGL)プログラム」のSILVERとして認定され、交換留学を心待ちにしています。TGL GOLDに王手がかかっているほど英語力が高いミッチェルさんですが、実は東洋大学に入学するまで、英語は不得意科目だったそうです。そんなミッチェルさんの英語への意欲を大きく変えたのは1年次のフィリピン語学研修でした。TGLプログラムを通して多様な価値観を知り、今後はそれを発信していく人になりたいと、夢を語ります。

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TGL GOLDへの遠い道のり

高校時代は部活でジャズダンスに専念していて、あまり勉強に力を入れてこなかったため、大学に入学したからには、学生でしかできない勉強をしたいと思っていました。入学時のガイダンスでTGLプログラムの説明を聞き、GOLDに認定されるまでの要件の多さに驚き、「私にはBLONZEがやっとかもしれない」と、目指す気持ちがなえてしまいました。何しろ入学時は英語に興味がなく、TOEICも405点しか取れなかったほどです。

私は父がニュージーランド人、母が日本人です。ニュージーランドで生まれ、2歳から日本に住んでいますが、日本に来た頃、英語と日本語も含めた生活環境のギャップを感じていました。さらに、日本人として育っているのに、幼い頃から見た目で判断され、英語で話しかけられることが大きなストレスとなり、体調を崩し、英語を拒絶するほどになりました。そのため、東洋大学に入学してTGLプログラムに参加するまで、私にとっての英語とは、「赤点を取らなければいい、受験のために勉強する科目」でしかありませんでした。ニュージーランドの祖父母と電話で話すときも、父の通訳を挟むのが当たり前だったほどです。

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大きな転機が訪れ、英語と向き合う

そんな私のターニングポイントとなったのが、1年次の夏に参加した1カ月間のフィリピンでの語学研修でした。英語力を本気で高めよう、という強い気持ちがあったわけでなく、「友達が行くから私も」「アジア地域は初めてだから行ってみようかな」という程度の気持ちで参加したのです。

フィリピンでは、現地の人たちと英語で会話しなければなりません。そうして授業や普段の生活の中で英語を使っているうちに、英語でのコミュニケーションに面白さを感じていきました。「英語は人と話すためのツール」だと気づき、英語を使えることの楽しさに目覚めたのです。

また、研修を通じて、お互いに切磋琢磨し合う、モチベーションの高い友達ができたことも、自分に大きな影響を与えたと思います。さらに、フィリピンの貧困地域を見て回り、住民が意外とフレンドリーで、スラム街への恐れが軽減され、物事を見る眼が変化していったのを実感しました。

この研修で私は、ツールとしての英語の楽しさ、人とのコミュニケーションの面白さ、そして、地域における価値観の違いなどを学び、それが自分にとっての大きな転機となりました。この経験をきっかけに交換留学を考えるようになり、英語力を高めることに力を注ごうと、まずは留学支援のLEAPプログラムを履修し、TOEFL対策講座を受講し、さらにECZを活用して英語を実践的に使ってコミュニケーションを取るなど、英語に触れる時間を大幅に増やすことにしました。

ニュージーランドの祖父母と英語で話したい、と感じ始めたのもこの頃です。家族なのに、自分の素直な気持ちを言葉で伝えられないのは悔しいと思い、それもモチベーションになりました。2年生になる直前に、ニュージーランドで牧場のボランティアを体験し、その後、祖父母の家に滞在したのですが、英語で話すことができて、祖母は喜んで涙ぐんでいました。

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TGLを通過点に、さらなる成長へ

2年次の夏、TGLプログラムのBLONZEに認定されたことを知り、「そういえばTGLというプログラムがあった」と、あらためて気づきました。その頃には、SILVERの要件であるIELTSのスコアも5.0を取得していたため、シルバー取得は遠くないと思い、その先のGOLDまで目指すことにしました。そして、2年次の冬にはSILVERが認定され、BLONZEからSILVERまでの到達が早く、それはうれしい驚きとなりました。

今年は、交換留学に行けることが決まりワクワクしています。留学先がイギリスになるかアメリカになるかはまだ決まっていませんが、フィリピンで意識が大きく変化したように、この留学が私にとって第2のターニングポイントになることを期待すると同時に、GOLDへ近づく一歩となります。

しかし、何が何でもGOLDを取得するのだと、取得することを目標にしているのではありません。TGLプログラムは私にとって、通過点であり大きな支えです。いろいろなことを頑張ってきたからこそ、視野が広がり、価値観が変化し、交換留学にも合格でき、その過程でSILVERの認定を受けられたのです。今は、学びたいことへの挑戦が重要であり、成功しても失敗しても、それは自分の経験になることは確かです。そして、挑戦した結果としてGOLDに認定されたら、とても喜ばしいことだと思います。

将来どのような道に進むかは、まだ決めていませんが、海外研修やボランティアなどを通じて、多様な価値観があることを知ったので、いろいろな人の意見を聞き、吸収したことを発信できる人になりたいです。そういう意味で、TGLプログラムを通した学びは私の土台を築いてくれていたのかもしれません。

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ミッチェル ティファニー希さん国際地域学部(現・国際学部)国際地域学科 2年

  • TGLプログラムSILVER認定
  • 掲載内容は、取材当時のものです