「小学生の頃から学校が大好きで、給食の時間が一番の楽しみだった」と話す食環境科学部健康栄養学科の仲澤茉子さん。給食に携わることのできる仕事として栄養教諭の存在を知り、東洋大学に入学しました。大学では海外留学や大学祭実行委員会などにも参加し、積極的に活動してきました。教員採用試験に合格し、4月から念願であった栄養教諭として働く仲澤さんは、「子どもたちに美味しい給食を作って、学校は楽しいところだよと伝えていきたい」と期待に胸を膨らませています。

学校が好き、給食が大好き

私は学校という場所が大好きで、逆に学校へ行けない夏休みや冬休みが苦痛で仕方ないような子どもでした。学級委員を務めたり、運動会や音楽会などの行事で、クラスの中心で行事を盛り上げたりすることが好きでした。そのような活動をすると先生たちと距離も近くなるため、さらに学校が好きになっていきました。

学校生活のなかでも、何より好きだったのは「給食」です。毎朝、必ずその日の献立をチェックしてから登校していたので、友達がよく「今日の給食は何?」と聞きに来るほどでした。そんな大好きな給食に関わることのできる仕事がしたい、と考え始めた高校生の頃、教員である父から「栄養教諭」という仕事があることを聞きました。学校で働く栄養士には2つの種類があり、それは学校栄養職員と栄養教諭という職種です。学校栄養職員は主に給食の管理をするのが仕事です。栄養教諭になると、給食の管理に加えて、食に関する指導もすることになります。特別活動や総合的な学習の時間をはじめ、理科や社会、家庭科といった科目で「食」に関する分野を扱う場合には、栄養教諭が授業を行うこともあります。

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栄養教諭を目指して東洋大学へ

大好きな給食に関わり、子どもたちに「食」について教えることができる。栄養教諭の仕事に魅力を感じた私は、栄養教諭を目指して、東洋大学の食環境科学部健康栄養学科に入学しました。健康栄養学科では、4年間で所定の単位を修得すれば、栄養管理士の国家試験受験資格を得られます。そのため、1、2年次は必修科目がとても多く、私は栄養教諭を目指すために、教職課程も履修していたので、土曜日でも授業があり、勉強に明け暮れる毎日でした。そうしたなかで、2年次には、実際に校長先生として教育現場で働いていた経験のある先生の授業を受ける機会がありました。机上の理論ではない、実体験に基づく生の声を聞くことができて、「学校で働く」ということが具体的にイメージできました。

総合大学である東洋大学には、白山キャンパスに文学部教育学科があり、同じ教職を目指す板倉キャンパス以外の学生と情報交換をしによく足を運びました。また、教職支援室が各キャンパスに設置されているので、白山キャンパスに行った際は支援室の職員の方にも話を伺い、教員採用試験に向けて準備を進めてきました。教職支援室では、教育現場の現状などについて職員の方からお話を聞くことができ、自分が学校で栄養教諭として働く姿をより具体的にイメージできるようになっていきました。

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コミュニケーション能力を生かして

私は大学入学時から、学生時代にしかできないことにたくさんチャンレンジして、多くの人と関わりたいと思っていました。そして、「子どもと関わる機会を増やしたい」と、小学生対象の塾講師のアルバイトも経験してきました。子どもたちにわかりやすく楽しい授業をすることを心掛けながら、時には子どもたちが通っている学校の様子を聞いたり、給食の話を聞いてみたりもして、学校の実態を知るように努めてきました。

また、2年次の春休みには、カナダのブリティッシュ・コロンビア州にあるヴィクトリア大学での4週間の語学研修&ホームステイに参加し、英語によるコミュニケーション能力が身につきました。さらに、大学祭の実行委員会の活動にも力を注ぎました。板倉キャンパスは地域に開かれたキャンパスとして、日頃から地域の方々を対象にしたイベントなども多く催されます。大学祭でも地域の方々にご協力をいただき、地域との連携を深めてきました。大学生活を通じて、私は多くの人と関わり合うことで、コミュニケーション能力が高まり、それが就職活動でも発揮できたと思います。面接では緊張することもなく、自分の仕事観や大学生活で力を注いだことなどを、相手にわかりやすく伝えることができました。

4月からは、夢であった教育現場で栄養教諭として働くことになります。旬の食べ物を積極的に取り入れた献立を考え、給食が好きな子どもはもちろん、食べることがあまり好きではない子どもたちでも楽しみになるような給食を作っていきたいと考えています。また、給食だよりを通じて、学校で行っている食育をご家庭や地域に発信し、食の大切さを理解していただき、家庭での食事の参考にしてもらえたらと思います。給食を通じて、子どもたちが学校を好きになり、子どもたちや先生方はもちろん、保護者の方や地域の方々までに、愛される栄養教諭になりたい。それが私の目標です。

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仲澤 茉子さん食環境科学部 健康栄養学科 4年

  • 内定先:さいたま市栄養教諭
  • 出身校:さいたま市立浦和高等学校
  • 掲載内容は、取材当時のものです