「ものづくり」が好きで、その興味を将来の仕事に生かしたいと望んでいた理工学部機械工学科の三原翼さん。入学前から「有意義な大学生活を送りたい」と思っていたそうですが、気が付くと「単位を取るためだけに勉強していた」という状態に。そうした三原さんの意識を変えたのが、大学主催の海外研修でした。まずは生産管理の仕事からスタートし、将来は航空機や人工知能、ロボットの開発にも携わってみたいという三原さんの「ものづくり」の夢は、4年間でさらに大きく広がりました。

アルバイトやサークルに夢中な学生生活

東洋大学に入学する前は「機械工学科で自分がどうがんばるか」「どう有意義な学生生活を送るか」が自分の将来を開いていくことになると考えていました。しかし、入学後は特に目標も見出せないまま日々を過ごしているうちに、「単位を取る」こと自体が勉強の目的になっていたように思います。

また、大学生になったら、いろいろなアルバイトをしたいと思っていたので、毎年アルバイトの職種を変えて、興味のあることを3種類経験してみようと考えました。1年生のときは「料理をやってみたい」と、レストランのキッチンでアルバイトをしました。2年生では自動車やメカニックの知識を得たくて、ガソリンスタンドで働き、3年次は地理に詳しくなりたいと宅配寿司のデリバリーをしてみました。2年生まではテニスサークルにも所属し、アルバイトやサークルに夢中になる“楽しい”学生生活を送っていました。

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意識を変えたきっかけは海外研修

そんな自分の意識が変わったのは、3年生の春休みに、2週間の海外研修に参加したことがきっかけでした。研修先は、アメリカ・ニューヨーク州のプレザントヒル近郊にあるペース大学。それまで身に付けてきた英語力が「現地でどれだけ通用するのだろうか」という興味もありましたし、これからグローバル社会で活躍するためには、英語をスキルとしてではなくツールとして使いこなす必要があると思っていました。そこで、海外研修に参加することを決めたのです。

ところが、海外研修に参加したことで自分の意識は大きく変わります。「将来、本当に自分は何がしたいのだろうか」「将来やりたいことに向けて、今、自分に足りないものは何なのか」「今後、自分はどのように生きていきたいのか」などを深く考えるきっかけになったのです。ペース大学では、授業が単に英語力のスキルアップをする場ではなく、“自分で考える”場として重点が置かれていました。振り返ると、それまでの自分は、しっかりと自ら考えて発言し、自発的に発言するということが足りなかったように思います。

また、視界に入るもの全てが新鮮で、刺激の多い毎日でした。海外に出るまでは漠然と「国内でものづくりをしていく」というイメージを持っていたのですが、「世界には、自分の知らない物事が無数にある」ことに気付いたのです。それからは世界のことをよく知る努力をして、知り得た情報をいかに自分の将来の“ものづくり”に生かし、社会や世界に還元していくか、と考えるようになりました。

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オランダでインターンシップを経験

4年生の9月には、大学での選考を経て、半導体製造装置メーカーのオランダ本社で約2週間、インターンシップを経験しました。世界60カ国以上の国籍の社員が集うグローバル企業でした。平日はメンターの方に付いてミーティングに参加し、半導体装置を作っているクリーンルームを見学しました。また、各部門による業務内容やリーダーシップについてなどのプレゼンテーションも受けました。気になることがあればフランクにどんどん質問することもでき、楽しくもためになる時間を過ごし、大いに刺激を受けました。社員からの提案も内容が良ければ、即採用され、進行するという場面を目の当たりにし、とにかく仕事のスピードの速さには驚くばかりでした。

今後はまず、生産技術の仕事に携わり、専門的な知識や技術を磨いていきたいと思います。そしていずれは、マーケティングやリスクマネジメントなどの知識も吸収し、世の中でまだ見つけられていないニッチなニーズを掘り起こして、それらの情報をどんどん発信し続けていくことのできる存在になりたいです。

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三原 翼さん理工学部 機械工学科 4年

  • 内定先:グンゼ株式会社
  • 所属ゼミナール:ロボット工学研究室
  • 出身校:私立成立学園高等学校
  • 掲載内容は、取材当時のものです