「インド哲学について学ぶ」という東洋大学独自のカリキュラムに魅力を感じて、イブニングコースの文学部インド哲学科(現・東洋思想文化学科)に入学した中村雅希さん。昼間は就職に向けて資格を取るため専門学校で学び、夕方からはイブニングコースでまったく違うジャンルの学問を学ぶという多忙な日々を過ごしました。学業はもちろんのこと、大学で過ごした4年間はサークルやボランティア活動、アルバイトなどの経験によって視野が広がり、人間的にもひと回り成長することができたと振り返ります。

初めてのボランディア経験で、視野が広がった

インドには「多くの企業が進出し、これから発展が見込まれる国」といったイメージがあります。大学でより深く学び、知識を得ることは、これからの自分のためになるのではと考えて入学を決めました。授業内容はヨーガや写経、座禅などさまざま。身をもって仏教を体験するような興味深い授業が多かったですね。哲学については、やはりマハトマ・ガンディーの「非暴力、不服従」の教えが印象に残っています。

大学では活動の幅を広げようと、サークルにも入りました。そして、2年生の秋にサークルの先輩の誘いでボランティア活動に参加し、全国にある「先天性四肢障害児父母の会」という団体の運動会を手伝うことになりました。最初は「子供たちと仲良くできるのだろうか」との不安もありましたが、子供たちは普通に運動ができ、しっかり会話することができました。競技を進めながら自分から子供たちに話しかけ、保護者に「どんなお子さんですか」と尋ねるなどして、少しずつコミュニケーションを深めていきました。

子供たち同士がペアになって競うおんぶレースでは、相手のいない子が一人いたので、私がその子を背負って走りました。高学年で体格のいい子でしたが、「2位になれて良かった!ペアを組んでくれてありがとう」と喜ばれたことが印象に残っています。最後には「お兄さんとまた運動会に出たい」という言葉をもらいました。

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熱意を持って取り組めば、達成できないことはない

大学に入学した当初は「資格さえ取れれば就職できるだろう」と安易に考えていました。イブニングコースに通いながら、日中は専門学校に通って資格試験に向けた勉強をしていました。1年生のときには日商簿記の2級に合格。3年生の6月にファイナンシャル・プランニング技能検定に合格しました。また、ボランティア活動を通じて子供たちと接し視野が広がり、「子供と関わるアルバイトをしてみよう」と学童保育のアルバイトにも挑戦しました。

学童保育では小学生と一緒に遊んだり、宿題を見たりしますが、なかには遊ぶことに夢中で宿題をやりたがらない子もいます。だからといって「宿題をしなさい」と命令するのではなく、子供自身が「やらなくちゃ」と思うように言葉を掛けるなどの工夫をするうちに、子供たちのやる気を引き出すコツが少しずつ分かってきました。子供とコミュニケーションを図るには、こちらから話しかけていく以外に方法はありません。そのように熱意をもって取り組んでいけば、どんなことでも達成できるはずだと気付かされた経験でした。

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就職活動におけるハンデはなかった

入学前の東洋大学には「駅伝などスポーツが強い大学」というイメージがありましたが、実際に入学してみると図書館などの学習環境が充実しており、「文武両道の大学」なのだと実感しました。就職活動にあたっては、イブニングコースということで就職先が限られるのではないかという不安もありましたが、就職活動を始めたら、そんな心配は全く無用でした。昼間は授業がないので、企業訪問や説明会に充てることができて、むしろ一日を効率良く使うことができたのは良かったと思います。

私は入学当初から金融業界への就職を目指し、そのために必要な資格を取るなど計画的に準備をしてきました。就職活動を始めた頃は地域密着型の金融機関で働きたいと考えていましたが、次第に視野を広げて、ゆうちょ銀行にエントリーしたところ、東海エリアで内定をいただくことができました。ゆうちょ銀行は日本最大の金融機関の1つですが、一人一人にとって身近な存在であるところに魅力を感じています。今後は金融のスペシャリストとして、「またあの人に相談したい」とお客様に思ってもらえるような仕事をしていきたいですね。

中村 雅希さんイブニングコース 文学部 東洋思想文化学科 4年

  • 内定先:株式会社ゆうちょ銀行
  • 出身校:静岡県立浜松商業高等学校

  • 掲載内容は、取材当時のものです