企業を対象とする法律である会社法に興味を持ち、法学部企業法学科に進むことを選んだ篠原歩さん。ゼミでは同期の仲間と切磋琢磨しながら懸賞論文に挑戦し、担当教授の魅力的な人柄に感銘を受けながら、多くのことを学んできました。アルバイトや就職活動においても常に向上心を持ち、積極性を発揮することでいくつもの気付きを得ることができた4年間。その充実した毎日を振り返りながら、篠原さんは今、自らが理想とする社会人像に向けて思いを新たにしています。

ゼミから、たくさんの学びを得た

ゼミで研究したのは、民法学の債権分野で「請負人の損害賠償請求について」です。タイトルだけを見ると難しそうですが、内容は「家の建築を注文した側と、建てる側の裁判について」など、将来身近に起こりそうなケースが中心で、興味深い話ばかりでした。ゼミの太矢一彦先生から受けた影響は、とても大きいですね。とにかく知識が豊富な方で、忙しくても学生のためなら時間を作って会ってくださり、論文もその日のうちに目を通してくださいました。教授職にある現在でも、他の教授たちと集まっては勉強するという努力を欠かさないそうで、私も先生のような魅力あふれる人になれたらと思っています。

太矢ゼミでは、有志4人で「金融裁判所の設置」をテーマに日本銀行の「日銀グランプリ」の懸賞論文にも挑戦しました。3年生の6月から先生にもご指導いただきながらテーマを考え、資料を集めて、その資料から自分たちで新たな提言を考えて…。3年生ともなると、それぞれインターンシップもあり、4人で予定を合わせて集まる時間もなかなか取れません。また、それぞれ考え方も異なるので意見が対立することもあり、論文をまとめるのは難しい作業でした。この経験から多様な価値観に触れ、相手の意見を受け入れながらも自分の意見を持つことの大切さや、人間関係の築き方も学びました。

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「積極的に行動する」を常に心がけて

3年生のときに受講した講座のなかには、就職活動で役立つ対策講座もありました。講座では「自分が一歩成長できるようなアクションを起こす」という課題が出され、私は1年生からアルバイトを続けてきたパスタ店で活用できる新人マニュアルを作成することにしました。働き始めたときはオープニングスタッフでしたが、新しいスタッフが入ってくるたびに新人教育の仕方がバラバラだと感じていたのです。系列店の店長を訪ねて新人教育の在り方について質問しながら自分なりの考えでマニュアルをまとめ、新人教育の方法を統一することができました。アルバイト先では他にもお客様評価の「ありがとう」を増やす取り組みを行うなど、自ら積極的に行動することを心がけました。

就職活動を始めるにあたり、当初は自分がどういうところに興味があるのか分からず、まずはいろいろな業種を知ろうと合同説明会に参加しました。何度も足を運んだなかでも、内定をいただいた三井住友海上は、座談会など社員の方とお話しをする機会がたくさん設けられていました。OB・OG訪問をしたり、企業訪問をして社員の方に会わせていただいたりしましたが、社内の雰囲気や社員の人柄なども把握したうえで、自分に一番合っている会社だと感じました。「ネットなどの情報に頼り過ぎず、自分の目と足でしっかり確認したこと」が功を奏したと感じています。

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「自分を変えよう」と努力し続けた4年間

実は「大学受験のときに、努力が足りなかった」と少し後悔する気持ちがあり、大学に入学したときには「周りに流されず、自分のペースでしっかり勉強していこう」と決意を新たにしました。高校生までは引っ込み思案だった私ですが、大学では一番厳しいと言われるゼミに入り、懸賞論文にも挑戦し、アルバイトでも自らすすんで行動するなど「自分を変える努力」を続けた4年間でした。そして、自分から行動を起こせば、周りの人たちも応援してくれるのだと気付きました。いよいよこれから社会へ出て行くことになりますが、お世話になった太矢先生のように、いつでも向上心を持って学ぶ姿勢を忘れずに、就職活動でお会いした先輩や、内定先の憧れの先輩をお手本に、後輩に尊敬される社会人になれたら、と思っています。

篠原 歩さん法学部 企業法学科 4年

  • 内定先:三井住友海上火災保険株式会社
  • 所属ゼミナール:太矢一彦ゼミナール
  • 出身校:茨城県立水戸桜ノ牧高等学校

  • 掲載内容は、取材当時のものです