以前から外国に興味があり、ボランティアにも関わってみたかったと言う国際地域学部国際地域学科の北原舞さん。そこで「現場主義」をモットーに掲げ、自分の目と足で確かめる姿勢を大切にしている同学科へ入学しました。サークル活動やフィリピンへの研修旅行、海外ボランティア、海外留学…と、自分の体を使ったさまざまな活動に挑戦し、「日本の外には自分の価値観を広げてくれる人々や文化がたくさんある」ということに気付きました。

ボランティアで海外とつながりたい

私は高校3年間、英語科で学んでいたので、一日中英語だけの授業があったり、海外からの留学生のホームステイを受け入れたりと、常に英語に触れる環境で過ごしていました。その延長として大学でも国際関係の勉強をしたいと思い、国際地域学科に入学しました。

入学して驚いたのは先生との距離の近さです。大学では大教室で講義を受けるイメージがあったので、先生との接点はあまりないのかと思っていたのですが、1年生の頃から常に先生の研究室を訪ねて質問したり、近況報告をしたりしてきました。先生といつでも話せる環境があることが、とても嬉しい誤算でした。

これまでに受けた授業の中では、ゼミでもお世話になっている芦沢真五先生の「留学のすすめ」が印象に残っています。留学の目的や意義について学ぶ入門講座で、毎回、海外で活躍してきた方をゲストスピーカーに迎えてお話を伺う授業は、とても刺激的でした。入学前からボランティアに興味を持っていたので、授業を受けながら「私もいつかはボランティアをしながら海外とつながれるといいな」と、漠然と考えていました。

2016022201_01

全てはフィリピン研修旅行から始まった

そんな私に転機が訪れたのは、2年生になる直前です。国際地域学科では、毎年春休みに海外研修プログラムがあり、私はフィリピンのセブ島での2週間の研修旅行に参加しました。現地に行って、直接問題点を調査しようというフィールドワークの一環で、私はフィリピン大学の学生と協力しながらスラム街を訪れ、衛生面や経済面などの問題を調査して、解決に向けてどのようなことが必要なのかを考えました。

実際に調査に入ってみると、いろいろな問題点に気付かされます。例えば、現地では穴の開いている衣服を身に着けている人がたくさんいますが、そこから菌が入ったり虫に噛まれたりして感染症が発生し、衛生面への影響が大きいことなど、日本では目にしたことのないショッキングな事実もたくさん発見しました。

研修旅行で一番印象に残っているのは、外国人に対する視線が日本人とはまったく違うということ。スラム街は怖いと思っていたイメージとは逆に、実際に訪れると、現地の人々は私たちにとてもフレンドリーに接してくれました。どんなに暮らしは貧しくとも、人と人とが助け合うという大切な精神が根付いているのだと感じました。

経済やテクノロジーは日本のほうが発展していても、フィリピンで出会った人たちのほうが明らかに幸せそうに暮らしている。なぜそうなのかを知るには2週間という滞在期間では全く時間が足りませんでした。この研修旅行をきっかけに、いずれはこの地に住んで、もっと彼らのことを知りたいという思いが募っていきました。

2016022201_02

新しい環境に飛び込むことで世界が広がる

そして、3年生の8月。私はフィリピンへ向かいました。約5カ月間の留学です。留学先では「コミュニティ開発」という授業を選択し、研修旅行のときと同様、現地の人々と関わり合いながら問題点を浮き彫りにし、その解決を試みるという活動に取り組みました。

もう1つ、現地に住んでみて肌で感じたのは「ジェンダー」の問題です。フィリピンにはLGBT(性的少数者)がたくさんいますが、それに対して非常にオープンな文化があるということに驚きました。フィリピンでは、LGBTを差別したり避けたりすることなく、個性として受け入れています。「個々の人間を尊重する」という面では、日本よりもフィリピンのほうがずっと進んでいることが、とても印象的でした。

留学を経て、「居心地の良いところにいては、自分は成長できない」と私は気付きました。そして、新しいことにチャレンジしていくからこそ視野が広がるのだと感じました。これまで海外ボランティアにも参加していましたが、その国に貢献する方法はいろいろあります。「相手に何か与える」という視点だけでなく、その国のプラスの面を引き出し、それを世界に発信することで、ビジネスとして国の発展に寄与することができるのです。そして、社会に出たらそのような仕事に携わりたいと考えるようになり、旅行業界に就職を決めました。

学びは机の上だけとは限りません。自分の足で外に出ていき、自分の目で確かめることで世界観も広がります。大学生活を通じて、新しい環境に飛び込んでいく姿勢が培われたことが、自分にとって一番の成長なのではないかと感じています。

北原 舞さん国際地域学部 国際地域学科 4年

  • 内定先:株式会社JTBコーポレートセールス
  • 所属ゼミナール:芦沢真五ゼミナール
  • 出身校:愛知県立尾北高等学校

  • 掲載内容は、取材当時のものです