破天荒な検察官が主人公のテレビドラマ『HERO』のファンだったという法学部法律学科の廣田千尋さん。「法律を通じて社会を見たい、法律をもっと身近に感じたい」という思いから、ごく自然に法学部を選びました。専門的な勉強だけでなく、アルバイト、外国人留学生との交流、そして自らの留学体験を通じて、たくさんのことを大学で学んだと言います。

東洋大で初めて知った異文化体験の面白さ

幼い頃からニュース番組を見るのが好きで、世の中で起こる出来事全てに法律が絡んでいることをなんとなく意識していました。東洋大学の法学部を選んだのは、自分が身近に感じている法律を通じて社会を見たいという思いが強かったからです。

法学部にいながらもグローバルなことを学びたいと思った場合、法学部のカリキュラムの中に国際法や外国法といった授業もありますし、外国人や外国文化に関わる機会もあります。例えば、学内には「English Community Zone(ECZ)」というスペースがあります。ここは、英語を身に付けたい学生が集まってECZのスタッフや留学生と英語で会話をするなど、気軽に英語に触れることのできる場。ECZは日本語使用禁止ですから、日本にいながら留学に近い体験ができるということで、2年生の頃からよく行っていましたね。そこで出会ったアメリカ人やイギリス人の留学生からたくさんの刺激を受けました。

彼らの最初の印象は、日本人に比べて自分の意見をしっかりと持ち、はっきり言うことでした。そして勉強熱心なこと。自分とあまり年齢が変わらないのに、外国に来ても堂々としている点に驚かされました。その頃から、自分も海外の文化に触れてみたいという思いが次第に強まっていったのです。

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留学で得たのは、相手を知るための積極性

単位が認定される留学プログラムもありましたが、私はあえて1年間休学し、私費留学することを選びました。具体的に準備を始めたのは3年生の半ば頃からで、3年生修了後の4月、アメリカのカリフォルニアに渡りました。

初めてのアメリカは驚きの連続でした。最初は英語が全然分かりませんでしたが、アジア系やラテン系の人も多く、英語が話せなくても、とにかくコミュニケーションを取ろうとする彼らのバイタリティに圧倒されました。私が通ったのは、サンフランシスコの語学学校で、午前中に文法の授業があり、午後にオーラルコミュニケーションという授業スタイルでした。日本の学校とは違い、授業では常に意見を求められます。文法の授業でも政治の話になったりプレゼンテーションをしたり、自分で話す機会が多いことに驚きました。

特に学んだのは「相手のことを知ろうとする姿勢の大切さ」でした。異文化の人たちとコミュニケーションを取る際に、語学力を磨くだけでは不十分です。例えば宗教のことでも、自分の常識と相手の常識はまったく違います。何事についても自ら調べ、積極的に情報を取りに行くように努めました。約8カ月の留学体験を通じて一番身に付いたのは、そうした積極性だと思います。

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日本の製品を世界に広める役割を担いたい

1年間休学したため途中のブランクはありますが、私が所属したのは会社法のゼミナールです。留学から帰ってきた後は、ゼミで企業を取り巻くさまざまな問題を学びました。会社法の面白さは、日々テレビや新聞で見聞きするニュースが、全て法律に関わりがあると実感できることです。

企業の不祥事も、合併や株式上場も、さまざまな法律が関係しています。実際に話題になったニュースをテーマに掘り下げて学ぶことが興味深かったですし、それこそが、私が法学部を選んだ原点でもあります。ゼミは受け身の姿勢で何かを学ぶ場ではなく自主性が大事ですから、「自ら積極的に情報を取りに行く」という留学で培った力も役に立ちました。

就職に関しては、以前から繊維業界に進みたいと思っていました。もともとファッション業界に興味があったことと、日本の高品質な製品を世界に広める仕事に魅力を感じていたからです。幸運なことに、大手の繊維商社から内定をいただきました。卒業後は、留学生との交流や留学体験を通じて得たコミュニケーション力を発揮し、“メイドインジャパン”の素晴らしさを世界中に発信していきたいと思っています。

廣田 千尋さん法学部 法律学科 4年

  • 内定先:モリリン株式会社
  • 所属ゼミナール:遠藤喜佳ゼミナール
  • 出身校:熊本県立熊本北高等学校

  • 掲載内容は、取材当時のものです