大学には、さまざまな学びへの「扉」が用意されています。どの扉を選ぶのか、その扉を開けるか、決めるのは自分次第。だからこそ、まったく新しい世界へ足を踏み入れることもできるのです。運動部に所属した経験がない福井友里さんは、未知の分野への好奇心から、健康スポーツ学科という扉を開けました。そんな福井さんは今、「人に教える仕事」という道を歩き始めています。

新しい世界を学びたくて選んだ進路

中学1年生の時に出会った体育の先生が、自分も楽しみながら授業をしている姿にあこがれて、体育教諭を目指しました。実は、小学3 年生から高校までずっと吹奏楽を続けてきたので、運動部に所属したことがありません。でも、大学進学を考えたとき、就職までを漠然と考え、自分の進路選択の幅を広げたいと思い、ライフデザイン学部健康スポーツ学科を選んだのです。また、「実技のある学部や学科で学びたい」という気持ちもありました。長年続けてきた音楽も実技ですが、音楽は私にとって趣味として楽しむもの。高校卒業後は、社会人楽団に入団する予定だったので、大学ではまったく新しい分野で学ぼうと考えました。

人々の幸せな生活や生活環境を実現するための知識を身につけるライフデザイン学部。そのなかで私が在籍する健康スポーツ学科は、高齢者や子供、障がいを持つ方など、さまざまな人に健康指導を行うための知識や技術を学びます。座学だけでなく、スポーツやトレーニング指導に関する実技が多いこともあり、運動部でスポーツを経験してきた人がとても多いですね。

20150703_01_02

楽しむことを優先した実技の授業

入学してからは、いろいろな競技を実技で学びました。時には、サッカーのリフティングがなかなかできずに、ボールを借りて練習したことも。できるようになった時は、とてもうれしかったですね。

また、フィットネスの授業では、上手にやることより、楽しむことを心がけていました。私は運動部出身者よりも上手くないかもしれませんが、音楽と同じように、スポーツも楽しむことが大切だと思うからです。自分が楽しむことができれば、フィットネスを人に教えることになった時、教える相手にも楽しんでもらえるはずだと考えました。

2年生のときには、スノースポーツ実習も履修。ゲレンデで4日間のレッスンを受けてから、スノーボードのバッチテストを受けるのです。私も含めて参加者全員が無事に合格することができました。

所属した古川ゼミは、生理学や運動生化学をテーマとし、運動の前後で唾液を採取して分析して運動によるストレスの増減があるのかを、調べました。年度の後半に行われたゼミ発表では、私は「睡眠時の寝相やいびきは病気のサイン」というテーマを扱いました。

20150703_01_03

ゼミをきっかけに世界が広がった

ゼミでは、古川先生の知り合いの方を招いて、スポーツメーカーや小売業、健康関係など、さまざまな会社や業界の方から、仕事の話をうかがう機会がありました。その時、スポーツや健康にもさまざまな業界や仕事があることを知り、世界がぐんと広がりました。すると、それまで体育教師を目指していた私も、一般企業で働くことに魅力を感じるようになったのです。

なかでも、興味を持ったのがフィットネスクラブです。学校で教える対象は生徒だけですが、フィットネスクラブなら幅広い年代の方に教えることができます。自分が本当にやりたいことは、人に教え、楽しく身体を動かしながら、できなかったことができるようになる喜びをお客様と分かち合うこと。それには、フィットネスクラブで子どもから社会人、お年寄りまで幅広い年代層のお客様と接して経験を積むことで、自分自身も成長したいと考えました。

「あなたに会えて良かったと思われるような人を増やしたい」。これは、フィットネス業界のある会社の社長さんがおっしゃった言葉です。この言葉は就活中の心の支えとなりました。これから仕事をしていくうえでも大切にしていきたいと思います。そして10 年後には、「あなたに出会えてよかった」とお客様や会社の仲間から思われるような人になること。それが今の私の目標です。

福井 友里さんライフデザイン学部 健康スポーツ学科 4年

  • 内定先:セントラルスポーツ株式会社
  • 所属ゼミナール:古川覚ゼミナール
  • 千代田区立九段中等教育学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです