将来の夢を持つことは、学びのモチベーションにつながります。「観光業界で働く」という夢をかなえるため、苦手だった英語を克服し、観光英語に触れるゼミナールを選んだ国際地域学部国際観光学科の二見晃司さん。「好き」をスタートに歩み始めた道の先に続いていたのは、「人に尽くす喜び」を最大限に感じられる、まさに適職とも言える進路でした。

苦手な英語克服のため留学

旅先でもテーマパークがあれば必ず訪れるほど、幼い頃から大好きだったテーマパーク。私の場合、絶叫マシンが目当てなのではなく、その場の雰囲気に魅力を感じるのです。テーマパークにいる人たちは、みんな笑っていますよね。その光景を見るのが好きなことに気付き、自分も将来、観光業に携わりたいと考えるようになりました。

大学に入学してからは、念願だったテーマパークでのアルバイトを始めました。実際に働いてみると、英語の必要性を痛感。私はそれまで英語がとても苦手だったのですが、観光業に携わるためには、英語力を高めなければと感じ、留学をしようと考えました。

東洋大学は留学のための奨学金制度が充実しています。その制度を利用して、2年次の春休みに、オーストラリアに留学することにしました。

英語に対する苦手意識もあるためか、オーストラリアに着いてすぐの頃は、ずっと緊張していました。しかし、ホームステイ先でフィリピンの留学生と出会い、意識が変わりました。同世代の男子同士とあって、一緒にテレビを見ながら、電子辞書を使って会話をするようになり、コミュニケーションを楽しむうちに、すっかり打ち解けて、緊張もほぐれていきました。

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チャレンジする面白さを知った

留学を通じて、日本とオーストラリアの文化の違いを肌で感じることができたのもよい経験でした。例えばオーストラリアでは水がとても貴重なので、現地の人は水をとても大切にします。シャワーも3分で済ませたり、シャワーで浴びた水を花にあげたり。そんな日本との違いを見つけるのが、とても楽しかったですね。

留学するまでの僕は、大学生活で自分から積極的に行動したことがありませんでした。しかし、留学を通して「何かにチャレンジすることは楽しい」と感じるようになり、同時に、「受け身のままでは何も始まらない」と実感しました。

そこで、留学から帰国した後も、英語に触れる時間を増やそうと、3年生からは観光英語を学ぶ喜田慶文ゼミナールに入りました。ゼミでは、東洋大学の留学生を観光地に案内し、英語を学びながら日本の文化を学ぶことができました。

その頃から、留学を通じて英語に慣れたこともあって、ホテル業界への就職を考え始めました。そこで、3年生の夏休みにはインターンシップも経験。自分という人間がホテルという国際的な職場で通用するのかを試そうと、外資系ホテルであるリッツカールトンでのインターンシップに参加したのです。

このホテルでインターンシップをする東洋大学の学生は、私が初めてとのこと。周囲からは「私=東洋大学」と見られるだろうと思い、東洋大学代表という緊張感を持って、インターンシップに臨みました。

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インターンシップで得た自信

インターンシップを始めたばかりの頃は、社員の方の後ろについて動いていたのですが、1週間ほど経った頃、1人で外国人のお客様の客室に行くように言われました。出発の時間や運ぶ荷物があるかなど、お伺いすべき内容の英語表現は覚えていたのですが、緊張のあまり、客室のドアの前で3分ほど固まっていました。思い返しても大学生活4年間で一番緊張した時間でしたが、何とかお客様と英語でやりとりし、お客様から「ありがとう」とポンと肩を叩かれ、チップをいただいた時、「不快感を感じさせずにすんだんだな」と胸をなで下ろしたことを覚えています。

真夏の暑い中、スーツで汗だくになりながら走り回ったこの1カ月で、最高のホスピタリティを学び、自分なりのホスピタリティについて考えることができました。そして、サービス業は大変な仕事ですが、人のために尽くすことが好きだと胸を張って言える自信もつきました。

ホテルでのインターンシップを経験しながらも、就職活動で百貨店も視野に入れたのは、ホテルも百貨店も売るものが違うだけで、どちらもお客様のご要望に応える仕事だと思ったからです。

百貨店は、高度な接客スキルと商品知識が求められる業界です。10年後、そうした技術と知識を身につけた上で、売場の改善などに尽力できる人材になっていたいと考えています。内定をいただいたそごう・西武は、オムニチャネル化(実店舗とオンラインなど、複数の流通チャネルを融合すること)を進めるセブン&アイグループです。そごう・西武だけでなく、グループ全体の商品知識を身につけて、とっておきの一品をお客様にご提供したいと思います。

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二見 晃司さん国際地域学部 国際観光学科 4年

  • 内定先:株式会社そごう・西武
  • 所属ゼミナール:喜田慶文ゼミナール
  • 私立東京成徳大学高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです