長いようで短い、大学生活の4年間は、自分が求めれば、より密度の濃い学びを得ることができます。幼い頃から金融に興味があった経営学部経営学科の下坪優吉さんも、そんな一人です。大学時代に見つけた「国税専門官になる」という目標に向かって、東洋大学での学びを最大限に広げ、深めた下坪さん。夢をつかみ取った今、「悔いのない4年間でした」と胸を張ります。

入学して間もなく考えた「将来のこと」

幼い頃から「スーツを着て働く」仕事に憧れ、「お金を扱う」仕事がしたいと考えていました。自分にとってそのイメージは、「お金を扱う仕事=銀行員」でしたが、銀行員になろうと考えて、仕事内容について調べると、営業や融資のような仕事がしたいのではないと気付きました。そして、大学で経営学を学ぶなかで、銀行員以外にもお金を扱う職業がいろいろあることも知ったのです。

銀行員ではない、お金を扱う仕事として、次に自分が目指したのは、税理士や会計士でした。そのため、簿記の勉強を始めましたが、国家資格の税理士や会計士の資格は簡単に取得できるものではありません。大学在学中に取得できず、卒業後も勉強を続けて試験に挑戦している人もたくさんいるほどの難関です。私は大学を卒業したらすぐにも働きたいという気持ちが強かったため、他の仕事を探すことにしました。

そうして見つけたのが、国税専門官という仕事でした。国税専門官は脱税を刑事告発する仕事です。きちんと税金を納めている人とそうでない人が平等になれるよう。悪質な企業と戦うという使命にあふれた仕事であることに魅力を感じました。

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どうしても国税専門官になりたくて

国税専門官になるには、人事院が行う国税専門官採用試験に合格しなければなりません。そこで、3年次の10月から、試験に向けて本格的に勉強を始めました。日によっては10時間も勉強するうちに、気がつくと大学受験の勉強量を軽く超えていたほどです。税理士を目指した時は途中で気持ちが切れてしまいましたが、「どうしても国税専門官になりたい」という強い気持ちがあったため、今度はモチベーションを保つことができました。

大学では2年生から、「経営分析」を行う秋本敏男教授のゼミに所属しました。ゼミでは、財務表から経営成績や財政状態を把握し、自分の意見を述べます。単に経営成績や財政状態などの結果を述べるだけでなく、その結果を受けて自分の考えやその理由を明らかにするのです。ゼミでの学びを通じて、論理的に考え、発言する力が身についたと思います。そして、自分の中にブレない芯ができ、自信を持って人と接することができるようになり、国税専門官の採用試験の面接でも、自分の言葉で意見を述べることができました。

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悔いがないほど勉強した4年間

「これで合格しないのなら、国税専門官への道はレベルが違うのだと、あきらめがつく」。そう思えるほど猛勉強した末、私は大学4年生の6月に受けた筆記試験に無事合格することができました。そして、7月の面接試験を経て、国税専門官に採用されることが決まりました。

国税専門官を目指そうと決めた時から、私は国税専門官として働くうえで必要になると考えられる講義を履修してきました。経営学部で学んだ会計学や税法、マーケティング、組織管理といった知識は、これから仕事をする上で、ダイレクトに生きてくるものだと思います。そして何より、大学時代の4年間で自分のやりたい勉強を悔いのないくらいやりきったと胸を張って言えることが、今の自分にとっては、大きな自信になっています。

下坪 優吉さん経営学部 経営学科 4年

  • 内定先:東京国税局
  • 所属ゼミナール:秋本敏男ゼミナール
  • 東京都立文京高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです