絶対不可欠ではないけれど、それがあれば人を楽しませ、豊かな気持ちにしてくれる玩具。土田さんはそこに惹かれ、玩具メーカーへの就職を目指すようになりました。「努力をしないで来た人間だった」という土田さんが、学園祭実行委員会の企画担当長として奔走したり、就職活動では失敗も自分の糧にするバイタリティを見せたりした4年間。大学生活を通じて、内面が成長できたことを自身も実感しています。

学園祭の企画担当長で得た大きな達成感

大学生活4年間で最大の思い出は、学園祭実行委員会の企画局でスタンプラリー企画担当長を務めたことです。それまでのスタンプラリーは、ミスコンやお笑いライブなどのメイン企画と比べると、魅力が少ない企画でした。そこで、前年より参加者を増やし、満足度も上げるため、スタンプカードの改善と新企画キャンパスラリーという2つのことに取り組みました。その結果、前年を2倍以上も上回る参加者数を達成。来場者満足度アンケートでも、13企画中1位を獲得することができたのです。委員会のメンバー200人を前にした緊張のプレゼンテーションなど、振り返ればもちろん苦労も多かったのですが、仲間の協力もあって最高の結果を得ることができたと思います。この出来事を通して培われた「率先して企画を考え、立案する」といった積極性や挑戦する心は、私にとって初めて生まれたものでした。同時に、周囲の仲間と協力することがいかに大事かも深く学びました。

私はもともとマンガやアニメが好きで、そういう好きなものを仕事にできたら楽しそうだなという単純な思いは持っていました。しかし、実際に就職活動が始まるまでは、具体的にどのような職種に就くかを考えていたわけではありません。ただ、この先何年も仕事をするということは自分の人生を仕事に賭けるということでもあるので、本気でやりたいことを仕事にしたいという気持ちはありました。それが何なのかわかったのは、就職活動が始まってからのことでした。

20150519_03_02

「楽ではないけれど、楽しい」仕事がしたい

私には昔から、なりたい職業や憧れ、夢というものがなく、なかなかキャリアプランが浮かんできませんでした。自分のしたいことがつかめていない状態で就職活動をしてはきっと後悔すると思い、できるだけ早い時期からキャリアセンターへ相談に行くようにしました。その際に相談員の方からOB訪問をすすめられ、真っ先に頭に浮かんだのが、説明会の雰囲気がよく印象に残っていた玩具メーカーでした。その会社のOBの方に連絡を取り、いろいろな話を聞いたところ、「仕事は楽ではないけれど、楽しい」という言葉が心に響きました。私もそう思える会社で働きたいと、はっきりと目指すものが見えたのです。そして、晴れて内定が決まった際にOBの方に報告したところ、「内定はゴールではなくスタートラインに立てる権利をもらっただけ」という激励をいただき、卒業後の新生活がますます楽しみになりました。

とはいえ、就職活動中は失敗や挫折もたくさん経験しました。もともと人前で話すのは得意ではないので、グループ・ディスカッションや面接では自分の考えをうまく伝えることができず、帰りにトイレで泣いたこともあります。それでも、大学で主催している面接対策のセミナーや模擬面接すべてに参加したり、キャリアセンターの相談員の方に1対1で練習していただいたり、あきらめずに努力し続けたことが、満足いく結果につながったのだと思います。

20150519_03_03

大学で頑張ることの大切さを知った

大学に入るまで、私は何事に対してもその時持っている実力でできることをやるだけの、努力をしない人間でした。それがサークル活動や就職活動を通じ、初めて一生懸命頑張ることの大切さを学びました。つまずいても「今回はこういう点がよくなかったから次はこうしよう」と、迷いつつも前向きに進んでいけるようにもなりました。4年間で少しは成長できたのではないかと思います。

これから大学生活を送るみなさんにはぜひ、1つで良いので、自信を持って語れる経験を作ることをおすすめします。私の場合はサークルでしたが、ゼミ活動、語学、アルバイト…など、何でも良いと思います。就職活動では「留学して、ボランティアをして、ゼミ長も務めて、アルバイトでもリーダーでした」という超人のような人もいましたが、そういう人と比べる必要はまったくないと思います。1つで良いから全力で、最後まで取り組むことが、自分に対する大きな自信になってくれるはずです。

私は内定先の会社で企画職を希望しています。玩具は人にとって、なくても生きていけるものですが、あれば心が豊かになるもの。だからこそ、子どもだけでなく、大人からも愛されるのだと思います。私も人がわくわくするような玩具を世に出して行きたいですし、いつかは日本で知らない人はいないというような大ヒット商品を作り出してみたいです。その結果、自分の関わる仕事で楽しんでくれたり、癒されてくれたりする人がいたら最高ですね。

土田 優花さん文学部 英米文学科 4年

  • 内定先: 株式会社バンダイ
  • 所属ゼミナール:竹内理矢ゼミナール
  • 東京都立北園高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです