小学校教員になりたいという目標を持って文学部教育学科に入学した勝山優美香さんは、初等教育専攻独自の「往還型教育実習」で、1年生から現場実習を経験しました。教室で理論を学んでから臨んだとはいえ、実習協力校での実践は戸惑うことばかり。それでも繰り返し経験を積むうちに、自分の教育観を確立することができたと語ります。「笑顔あふれるクラスをつくりたい」という夢を叶えるために、いよいよ4年間かけて蓄積してきたものをアウトプットする時が訪れました。

目標に向かって早期に現場体験

子ども一人ひとりの個性を認め、可能性を最大限に引き出したい。教育に携わる仕事をしたいと思い始めた頃から、そんな理想の教師像を描いていました。東洋大学の教育学科には、一般的な教育実習のほかに、「往還型教育実習」という初等教育専攻独自のプログラムがあります。1年生から実習協力校である小学校の参観へ行き、2年生からは2年間かけて、週1回現場を体験するもので、授業で学んだ理論を実習で体得し、対応力や応用力を実践的に身につけていくものです。いくら子どもが好きとは言っても、実際に小学校へ行き、授業に参加したところで、初めはどうすれば良いか、わからないことばかり。児童同士のトラブルを仲裁することもできず、担任の先生に助けてもらったこともあります。自分の力不足を実感してからは、同じ専攻の仲間に相談したり、先輩教員の指導する姿を見たりしながら、多くを吸収。学内での理論と学外での実践の繰り返し、まさに「往還」の学びによって、自分の教育観を確立することができました。

20150519_02_02

教職専門の指導を受けて

教員採用試験に向けては、大学の教育支援室で指導を受けたことが大きな力になったと思います。論文は個人指導で、面接は仲間と一緒に集団面接の練習を毎週行いました。論文でも、面接においても、民間企業とは異なる教職特有の書き方や表現があり、まずはそれをマスターしなければなりません。教職専門の指導の先生によると、面接の答えは短く30秒以内、論文も一文で柱部分を述べ、肉付けとして理由、補足の簡潔な文章でまとめるのが理想だというのです。私はどちらかというと、話がつい長くなってしまうタイプだったので、教職に求められるこのスタイルを知らなければ、合格などとてもできなかったかもしれません。具体的な教えは、本当にありがたいものでした。

子どもたちにとって、先生の言葉が与える影響は大きいものです。実際に現場で、先生や子どもたちと接してみて、そのことにあらためて気づかされたものです。

20150519_02_03

仲間がいたから頑張れた

今思い起こしてみると、大学4年間は、本当に自分を成長させてくれる場でした。いろいろなことができる時間、できる環境だけに、自分自身に強い意志がなければ堕落してしまいがちです。もし、確固たる目標や、将来に直接関係がなくても、夢中になれるものが見つかれば、有意義な4年間を過ごすことができると思います。そんな中、教育現場での実習では、くじけそうになることも少なくありませんでした。それでも「教員になりたい」という目標に向かって、ぶれることなく挑戦し続けることができたのは、同じ志を持つ仲間がいたからでもあります。お互いの考えを深めたり、異なる意見に耳を傾けたり、協力し合えたことで、自分のキャリアプランを具体的に描き、努力することができました。大学4年間で出会った人たちそれぞれの生き方に触れたからこそ、自分の目標を再認識することもできたのだと思います。私はやはり、児童一人ひとりの魅力をしっかりと見つけられる教員になりたい。笑顔のあふれるクラスをつくりたい。そして「勝山先生のクラスで良かった」と言ってもらえるように、これからも努力を重ね続けていきます。

勝山 優美香さん文学部 教育学科 初等教育専攻 4年

  • 内定先: 埼玉県教育委員会
  • 所属ゼミナール:幸田国広ゼミナール
  • さいたま市立浦和高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです