韓国出身の金 大承さんは、大学在学中に兵役を務めた後、復学せずに日本語を学ぶ目的で来日しました。日本語学校で言葉を習得し、さらに国際的な視野に立った学問を求めて、東洋大学国際地域学部国際地域学科への進学を果たします。充実した学生生活を送る一方、日本での就職活動には不安が隠せない状況でしたが、ゼミの先輩や大学のサポートが大きな力になったようです。

企業経済学の知識を生かしたい

韓国で学んだ貿易関連についての知識を生かし、国際的な視野で経済を考察したいと考えていました。ミクロ経済学やマクロ経済学の授業に惹かれて選択した久松佳彰ゼミナールは、「企業経済学」が研究テーマです。企業会計やファイナンスの基礎を学んだ後、2つの企業の5年間分の実績を比較分析する企業比較財務分析のレポート発表を行いました。研究対象として国内の製薬企業2社を取り上げました。私は当初、製薬業界では欧米企業が強そうだと思っていたのですが、アジアの企業が想像以上に優れていることに気づきました。成長し続ける企業を例題に学ぶのは、とても面白いものです。

セブン—イレブン・ジャパンへの就職を志望したのも、親会社であるセブン&アイ・ホールディングスが「国際金融論」の授業で取り上げられ、海外へ広く展開する勢いに強い関心を抱いたのがきっかけです。大学での学びを生かせるフィールドに踏み出せるのを、今とてもうれしく思っています。

2014041601_img_02

忠告を素直に受け入れる

就職活動は、最初の書類作成の段階で大きくつまずきました。何をどうすればいいのかわからぬまま、エントリーシートを大学の就職・キャリア支援課でチェックしてもらったところ、「日記のようなこの書類を見て、企業はあなたを面接したいとは思わない」と指摘されたのです。学生時代に最も自分が打ち込んだことを問われているにも関わらず、自分の経験を書き連ね、ポイントが絞られていなかったのですから無理もありません。そこで、自分の強みを表現できる書き方のコツをしっかりと教えていただきました。

面接については、ゼミの仲間と一緒に先輩に相談したのですが、ここでも大失敗です。ただ不安で、とにかく4年生に集まってもらったものの、まったくの準備不足。模擬面接の設定を何も考えておらず、履歴書すら用意してなかったのですから、怒られても当然です。先輩の指摘を真摯に受け止め、再びお願いすることで、面倒見のいい先輩方が一つひとつ丁寧に教えてくださり、実際の就職活動に臨むことができました。

2014041601_img_03

自分に確たる自信を持つ

自分なりに努力はしても、知らないことはたくさんあるものです。ゼミの先輩に履歴書を見てもらった時に、私は振り仮名の書き方を指摘されました。「ふりがな」と平仮名で表記されている場合は平仮名で、「フリガナ」とカタカナ表記の場合はカタカナで書くものだと教えられ、それまでカタカナ一辺倒だった私は驚きました。そんな調子だったので、就職活動は苦労の連続でした。だからこそ今は、これから就職活動を進める3年生の相談にできるだけ乗りたいと思っています。まず後輩たちにアドバイスしたいのは、「折れない心を持つ」ということ。失敗や未熟な点を指摘された場合、確かにショックではありますが、それは必ず役立つものであるはずです。明日は成長できる自分であることを信じてがんばってほしい。就職活動は企業が我々を選ぶものですが、私たちも企業を選んでいるのだというくらいの気持ちで自信を持ってほしいと思います。

金 大承(キム・デスン)さん国際地域学部 国際地域学科4年

  • 内定先:株式会社セブン-イレブン・ジャパン
  • 所属ゼミナール:久松佳彰ゼミナール
  • メロス言語学院出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです