電気は今や社会の基盤。だからこそ安全に届けたい。そんな思いを語ってくれた理工学部電気電子情報工学科の田口久志さんは現在、第三種電気主任技術者の資格取得に挑戦中です。高校、大学で培った電気の知識を実務経験で裏打ちし、来年こそは試験をパスして早く一人前の技術者になりたい。そして将来は後輩から頼られるようになりたいと、その未来像は鮮明です。

偶然から知った内定先

工業高校の電気科に学んだ私は、社会を支える電気エネルギーについてさらに学びを深めたいと思い、東洋大学理工学部の電気電子情報工学科に進路を定めました。強電(強電流工学:動力として電気を供給すること)に興味があったので、その分野の授業を中心に履修し、就職活動でも鉄道や建設、保守管理業など、強電と関わりの深い企業にエントリーしていました。

内定をいただいた関東電気保安協会の存在を知ったのは、偶然のことでした。アルバイト先の飲食店に、電気設備のメンテナンスにいらした方が協会の方で、いろいろとお話を伺うことができたのです。電気はもはや、私たちの暮らしになくてはならないもの。だからこそ安全に供給されなければならず、その安全をしっかりと守っていくことが協会の業務だと知って、強く惹かれたことを覚えています。

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就職活動を自分の財産に

電気電子情報工学科では、電気・電子・情報通信工学の3分野を幅広く学べる一方、早くから専門性を高めて学ぶこともできるので、その分、就職活動では業種の幅を絞りやすいと言えます。しかし、楽天的な私は「何とかなる」という安易な気持ちで挑んでしまい、スケジュール管理が甘かったり、筆記試験会場を間違えてしまったりと、本題以外でつまらないミスを重ねることになりました。せっかく早くから専門性を高めても、社会性を身に付けなければ就職活動はうまくいかないのです。

就職活動を通じて、さまざまな人との出会いもありました。同じ業種を目指す学生とは積極的に交流して情報を共有し、会社説明会では諸先輩方から多様な経験談を伺い、自分の将来を決める参考としました。大変なことの多い就職活動ですが、得られるものははるかに多く、この経験は必ずや今後の財産となってくれることでしょう。

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狙うは10%の難関突破

現在、私が研究しているDynamic Line Ratingは、送電線の容量をリアルタイムに変更するシステムで、ヨーロッパで主流の方式です。このシステムを日本に導入した場合について考察していますが、最悪の事態を考えて安全マージンを多めに取っている日本と、その都度フレキシブルに対応していこうと考えるヨーロッパと、その思考の差が面白いですね。

また、電気設備の保安監督をする際に必要となる「第三種電気主任技術者」の資格取得にも挑戦中です。合格率が10%程度と低く、大変難しい試験で、前回の試験は残念な結果でした。しかし、高校・大学と知識を積み上げてきた分、手応えは感じています。社会に出て、さらに実務経験を重ねながら技術を磨き、次回こそは試験をパスして、一人前の技術者として社会に貢献できるよう、自分を磨いていきたいと思います。

田口 久志さん理工学部 電気電子情報工学科4年

  • 内定先:財団法人関東電気保安協会
  • 所属研究室:電力システム研究室
  • 埼玉県立川越工業高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです