中学、高校と陸上競技に打ち込んできた福田芽衣さんは、管理栄養士になる夢の実現と陸上競技の両立ができる環境を探し求めて、この春、東洋大学食環境科学部に入学した。人間が生きていくために不可欠な「食」について、健康と栄養の観点から学びを深め、スポーツ選手を「食」の面からサポートする仕事がしたいと意欲的に学んでいる。

スポーツ選手を食の面から支える管理栄養士に

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中学生のときにテレビで、マラソンの高橋尚子選手に専属管理栄養士がいるということを知ったのが、管理栄養士をめざしたきっかけです。幼い頃からスポーツをしてきた私は、長距離ランナーとして中学生の頃から陸上部で活動してきました。だからこそ、選手にとって、身体づくりのための栄養の大切さを身にしみて理解しています。私自身は身体が小さく、筋力も弱いため、ケガをすると治りが遅く、苦労してきました。だからこそ、栄養をしっかり摂ることが何よりも大切であると実感しているのです。そして進路を選ぶ際、陸上競技を続けながら、管理栄養士の資格取得をめざそうと考えるようになりました。

でも、実家のある関西にはそうした環境が整う大学がありません。視野を広げて、関東の大学を探したところ、東洋大学であれば、陸上と勉強が両立できる環境が整っていたのです。ここでなら夢に近づくことができると思い、志望しました。東洋大学の女子陸上競技部は創部2年目の若い部ですが、地元を離れ、新しい環境に身を置き、自分のことを誰も知らない場で新しい自分を見つけることができるのではないかと思ったのも、入学を決めた理由の一つです。

合宿所の食事でも栄養を学べる

私が在籍する食環境科学部がある板倉キャンパス内には陸上競技部の合宿所があり、私はそこで生活しています。陸上の練習は朝と夕方。朝は毎日5時に起きて、6時から1時間半かけて練習し、その後、合宿所で朝食を取り、授業へ向かいます。夕方は授業が終わった後、水曜と土曜は部としての練習があり、それ以外の日は、自分の体調に合わせて練習計画を立て、キャンパス内を走ったり、外を走ったり。19時半頃まで練習をしたら、寮で食事をとり、入浴して身体のケアをしています。合宿所では消灯時間も決まっているため、限られた時間のなかで、授業で出された課題や次の授業への予習などもしています。

合宿所での食事は、管理栄養士さんがメニューを考案してくださるので、走るのに必要な栄養素を取り込んだバランスの取れたメニューが毎朝、毎夕出てきます。毎日メニューには栄養表示がされていて、それを見るのも自分に取っては勉強になります。実家で暮らしていたときは、カロリーコントロールや栄養バランスを意識して食事することはなかったので、食に対する意識が変わってきました。合宿所生活により食事の面でサポートしていただける分、私は学業と部活に打ち込むことができるのもうれしいですね。

学ぶほどに理解が深まり、興味が深まる

大学生になりまだ数カ月ですが、高校までの学び方とは意識が変わりました。自分が興味をもっている分野を専門的に学べるということもありますが、内容は高度で難しくても、学びを深めるたびに自分の夢に近づける感じがして、さらに学びたいと意欲が高まっていくのを感じます。先生方の教え方も丁寧でわかりやすいですね。大学での学びはやればやるだけ理解が深まり、理解できた分だけ興味が深まるのだと思います。今は、学ぶことが面白くてたまりません。

管理栄養士になる、という具体的な目標があるからこそ、私は今、部活と学びというハードな生活でも両立することができていると思います。「食」は人間が生きていくために不可欠です。だからこそ、管理栄養士という職に就いて、スポーツ選手を「食」の面から支えられる人になりたいと思っています。スポーツ選手が海外遠征に出たときに困ること、それは食事だと言われています。だからこそ、海外遠征に同行して選手の栄養管理に携われるような管理栄養士になりたいという夢が、私にはあります。そのためには英語の勉強もがんばらなくてはと、英語の授業にも身が入ります。これからは実習の授業も増えてくるので、さらに学ぶことへの興味が深まりそうで、今からとても楽しみです。陸上を続けながら、夢の実現へ向けて努力をする毎日は、とても充実しています。

福田芽衣さん食環境科学部 健康栄養学科 1年

  • 兵庫県・私立須磨学園高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです