「人生は一期一会。出会いやチャンスは逃したくない」という国際地域学科の深瀬翔子さん。高校生の頃からの夢だった留学を実現させ、ボランティア活動やインターンシップなどにも取り組んできたアクティブな学生だ。しかし、その積極的な姿勢の背景には、1年生のときに「自分の考えがぶち壊された」というある経験があった。

多面的なものの見方の重要性と面白さを知る

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世界でいま何が起こっているのかを学び、自分の目で見て確かめたい。他国の自分と同世代の人たちが、何を思い、どのような考えを持っているのか、直接聞いてみたい。高校生の頃からそのような思いが強く、大学に入ったら絶対に留学しようと決めていました。国際関係、特に発展途上国の支援に興味があったので、地域発展や異文化コミュニケーションについて学ぶことができる国際地域学科は、まさに私の希望にあった進学先でした。英語のプログラムが充実している点にも魅力を感じ、意気揚々と入学したのです。

当時の私は、「国際系の学問には文化的アプローチをするものだ」と当然のように考えていました。しかし、1年生のときに配属されたゼミの先生は、経済学の専門家。「経済学がやりたくてこの学科に入ったんじゃない」と、最初は納得がいきませんでしたが、その思いはすぐに驚きへと変わりました。同じ問題を別の観点から見ることの重要性と面白さを知ったのです。

たとえば、発展途上国の問題は、文化、経済、社会、政治、開発、環境など、多方向からアプローチすることができます。凝り固まっていた自分の考えがぶち壊された、そんな衝撃を受けたのです。それ以来、物事への取り組み方が変わりました。「食わず嫌いはやめよう」と思うようになり、自分の興味のあることだけでなく、いろいろなことに積極的に挑戦するようになりました。

違いを感じ、共感し、留学から多くのことを学ぶ

あこがれだった留学の夢が実現したのは、3年生の時。大学間の交換留学制度を利用し、カナダ・カムループスのトンプソンリバース大学に、3年生の8月から4年生の5月まで留学しました。留学生が多い大学で、出身国・地域も人種も多種多様な学生が世界中から集まっていました。彼らとの交流を通して異なる文化や価値観に触れ、自分の中にさまざまな感情が生まれ、多くのことを学びました。

たとえば、当時、日韓は竹島問題で揺れていました。留学先では韓国人の友だちも何人かいましたが、私にとってはこの問題は話題にしづらいものでしたし、あえて話題にする必要もないと思っていました。しかし、韓国人の友だちは、積極的に私の意見を尋ねてきたのです。その感覚の違いに最初は戸惑い、同時に、自分はこの問題についてしっかりとした考えを持っていないことにも気づかされました。

日本や自分自身との違いを感じたのと同時に、同世代としてお互い共感できることも多く、世界がぐっと身近に感じられるようになりました。また、留学を通して、前向きな姿勢が身についたと思います。「人生は一期一会。出会いやチャンスは逃したくない」と思うようになり、言いたいことがあればきちんと伝えよう、聞きたいと思ったらその場で聞こうと心がけるようになりました。

幅広い分野の知識を学べる国際地域学科

海外に出たことで、日本を客観視することができたのも、留学の成果の一つでした。良い面もそうでない面も見えてきましたが、素晴らしいと思ったことの一つに、日本のサービス業の質の高さがあります。まさに、世界に誇れるものだと思います。そして将来は、在学中に身につけた英語力を生かし、ホテルやフライトアテンダントなどのサービス業に携わりたいと考えるようになりました。仕事を通して、世界の人々に日本の魅力を伝えていくのが私の夢です。

私が1年生のときに受けた衝撃のように、予想もしなかった出会いがたくさんあるところに、大学での学びの面白さがあると思います。特に、国際地域学科は学びの幅が広い学科で、文系理系関係なくさまざまな分野の知識を学ぶことができます。未知の世界と出会いたい人、視野を広げたい人は、ぜひ国際地域学科で学んでほしいと思います。

深瀬翔子さん国際地域学部 国際地域学科 国際地域専攻 4年

  • 東京都・私立富士見高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです